先日新聞に、来年の万博の周辺輸送計画の話が出ていた。
それなりに細かい想定をしているのようだが、一方で毎日3000万人を輸送している上海の交通事情から言えば、80万人程度の増加はそれほど大きな問題ではないとも書いてあった。
まあ率にして言えば3%程度の増加ということで大きな影響ではないということなのだろう。
しかしである。
普段暮らしている感想から言わせてもらうとベースになる毎日の上海の交通輸送自体が実はそんなに余裕があるとも思えない。
実にキューキュー状態のように思える。
私はバスが好きなので時々利用するが、朝晩のバスは人が多すぎて乗れたものではないし、地下鉄とて2号線や1号線のラッシュ時は人の多さはすさまじいものがある。延安高架道路や内環高架道路とて始終渋滞しており、円滑な交通体系になっているとは言いがたいのが現状なのである。
あの状況をもって人を捌けていると判断されているのかどうかが非常に気になるところなのである。
もし、あのバスや地下鉄の詰め込み具合を基準として、万博の輸送計画を立てているとすればいかにも中国基準である。
上海の人間にとって当たり前のあの状況も、観光客にとっては決して当たり前の状況ではない。ましてや外国人にとってはとてもあの状況のバスや地下鉄には乗れたものではない。
新聞上に書いてあった数字では、その計算基準までは示されていないが、駅によっては1時間あたり3万人の人が利用するとなっている。1分間500人つまり1秒8人である。そんな人数が果たして捌けるのか?
シミュレーション通りにいったとしてもとても恐ろしい人数想定である。
万博にはもっとゆとりをもった計画を望みたい。