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楽天がオリックスより先に日本一になった意味

 東北楽天ゴールデンイーグルスが、日本シリーズで巨人を破って日本一に輝いた。

 私の贔屓チームは日本ハムだが、東北にもゆかりのある人間として取りあえず今回は祝福したい。

 まあ今回は田中マー君あっての優勝であり、チームの貯金のほとんどを彼が稼ぎだし、最後の優勝を決める瞬間も前夜に続いて登板するなど、常識ではありえない起用でまさに田中様様だった感があり、往年の稲尾投手をほうふつさせる働きである。

 売却譲渡などで生まれた他の球団と違い、ほぼゼロからスタートした球団創設9年目の楽天が今回日本一になったのは、現場の地道な積み重ねと田中選手の成長という好運が重なっての出来事だと思うが、2004年のオフに近鉄と合併して誕生した新生オリックスがその後未だに優勝を果たせず、思ったような成績が残せていない情況と比較すると、なかなか思うところがある。

 オリックスは88年オフに阪急からの球団譲渡で誕生して以来、合併する前のイチロー選手在籍時に95年と96年にリーグ優勝しているが、その後はずっと下降線をたどり、イチロー選手のメージャー移籍と仰木監督の退任後は3年連続最下位が続き、2004年になんと近鉄球団との合併を発表した。

 合併により球団の合理化と関西ファンの獲得、強い選手だけをプロテクトして良いとこ取りをしようとしたこの試みであり、当時は大騒ぎになり社会から大反発も受けた。

 しかし合併を強行されて両球団は統合され、その騒ぎのさなかに新規参入として誕生したのが今の楽天で、ライブドアとの参入争いに勝っての新球団誕生だったが、選手はオリックスへの入団を拒否した岩隈選手を除いて、オリックス側が優先プロテクトした以外から選ばれたいわゆる余り物選手で新球団を設立した形であったのである。

 このように有力選手のいない楽天は発足当初は当然2年連続で最下位であったが、3年目に4位になるなど徐々に上位を狙えるようになり、過去8年間で最下位3回、5位2回、4位2回、2位1回と結果を残し、そしてとうとう今年は優勝して日本一にまでになり、過去9年間の平均順位は4.3位となった。

 これに対して、オリックスは合併後の2005年以降、2008年に2位になったのが最高で、そのほかは最下位3回、5位3回、4位2回で平均4.6位と楽天をも下まわり、優勝に縁が遠い位置をうろついている。

 まあ勝負事の世界なので一つの理屈で結果を簡単に評することはできないが、お金をかけて実績のある監督を呼んだりしていろいろ試行錯誤して上昇に取り組んできた楽天球団が9年目にして日本一を勝ち取り、片や合併という手法で強化したはずのオリックス球団が、毎年一貫しないような方針で監督をとっかえひっかえし、挙句の果てに紙切れ一枚で監督をクビにしてしまうなどチグハグな運営で結局いまだ優勝に全然手の届かない状態となっている。

 つまりオリックスのような安易な合併で結果を求めたのではなく、じっくりした取り組みを行なった楽天が結局早く結果を出したというのが今回の楽天の優勝であり、オリックスの現在であるということになる。

 楽天が実際いい会社かどうかは良く知らないが、まあ彼らなりにきちんと事業に取り組んで社会に浸透している点は評価されるし、そういった一つの現れが保有球団の優勝だったという気がするのである。

 こういった状況はプロ野球球団の対比は一つの社会の縮図であるような気もしており、この球団の合併問題に限らず、偶然にも今年噴出した最近のみずほ銀行の事件や阪急・阪神ホールディングス関連のホテルのメニュー偽装疑惑なども、合併によって生まれた会社の歪から生まれたと言えるような問題であるような気がしている。

 つまり経営の苦しさから安易に合併という手法に救済を求めたはいいものの、合併や合併後の運営が実際に働いている人間の意識を忘れた経営の結果だったのでないのかという気がするのである。

 9年目の楽天の優勝、そこから見える社会の構図はなかなか考えさせられるものがある気がする。

会社が合併するという大変さ

日本でゆうパックとペリカン便の統合で配達に遅延が生じ、話題になっている。
会社の合併というのは上層部が机上で考えるほど現場にとっては容易なことではない。

しかも今までの業務を一旦止めてリセットできるならまだしも、今までの業務を止めずにスムーズに移行するなどというのは、あれだけの規模の企業同士では至難の業である。

画像はイメージ

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 以前金融機関の合併の大変さが報道されていたが、金融機関の場合はデータ処理やシステムなどのいわば内部的な処理が大半であり、合併といっても大半はシステム会社の仕事となる。

 しかし、今回のように物流企業の合併では、実際にモノが動きが変わり人の動きが変わるのだから、その転換の大変さは金融機関の比ではないはずだ。

 私も日本時代、3社同時合併というのを体験した。

そして3社の給与の体系の統合とシステム構築を任された。
もともと別の体系で動いていた給与を統合し、それを一つのシステムの中に反映させる。

 別のシステムだった給与計算を、正式な平行ラン無しで一発統合開通させるという無謀なものであった。

 もちろん数字の間違えは許されない。

 3社のうち、一つの会社のシステムをベースにしたものの、合併に伴う制度のすり合わせのための暫定給や職位による多彩な給与体系など処理は複雑を極めた。有給休暇や勤務システムも同時に含まれるのだからたまらない。

 800人もの対象者の計算結果をぴたりと合わせなければならない。

 当然この間も、従来の一社の給与計算もオペレートしつつである。

 これをほぼ半年で概ね一人でやった、というか半年かかった。

 合併を成功させるにはそれくらいの時間がかかる。

 給与計算のプレッシャーは担当したものでなければわからない独特のものだ。

 何故なら従業員一人ひとりの生活がかかっているからだ。

 1円でも間違えればすぐに文句の電話がかかってくる。

 だから今回、お客さんを直接相手にしている現場のプレッシャーもよく分かる。

 上層部の机上の論理でうまくいってても、実際にお客さんを相手にするのは現場だ。

 上がなんと言おうと目の前にいるお客さんが大事である。

 現場の人々は腐らず是非頑張っていただきたい。