マイナンバーカードの身分証明書としての意味。

 日本で10万円の給付金の給付がきまって、俄かに脚光を浴びたのがマイナンバーカードである。
 現状この「マイナンバーカード」というか「マイナンバー」は主に税務署への所得申請の集計コードとして使用されているが、それ以外の場面ではあまり活用されていないのが現状だという気がする。

 それが、今回本人個人を特定するためのツールとして脚光を浴びたのである。

 この「マイナンバー」及び「マイナンバーカード」は日本国内では、評判が悪いというか警戒をもって見られている。
 一つはセキュリティへの警戒感で、この番号を通じて色んな個人情報が洩れてしまうのではないかという懸念だ。

 もう一つは、この番号を管理する地方自治体の行政への信頼感が低く、公務員によって他人のプライバシーが覗かれてしまうのではないかという警戒である。
 また日本国家全体への不信感というか警戒感も高く、個人の行動が国家によって監視されてしまうのではないかという懸念も生じている。
 また身分証明書としての役割も運転免許証や保険証で十分ではないかという意見もある。

 これらの懸念から日本では「マイナンバーカード」を否定的にとらえている人が多い。

 ただ、私が中国で中国人たちの身分証明書の運用状況を見る限りにおいては、マイナンバーカードはもっと身分証明証として活用されてしかるべきかという気がする。

 中国のインターネット上での手続き認証にはこの身分証明書番号が活躍し、偽名による手続き防止に大いに役立っているからである。

 逆にパスポート以外の身分証明書のない外国人は苦労する環境にある。

 もちろん、国家と国民のパワーバランスが同じではないので、日本でも同じように推進することが良いとは一概には言えないのだが、自分を証明する資料の存在としてはやはり身分証明書つまりマイナンバーカードの存在は貴重だという気がするのである。
 日本は運転免許の普及率が高いので、身分証明証として運転免許証がよく身分証明書として使われるが、あくまで運転免許を証明する書類のため、免許試験に合格した人だけが持っている書類であり、試験を受けていない人や不合格だった人、或いは返納したりして未成年の方は持ちえない書類である。
 また保険証も国民皆保険の日本においては誰でも持ちえるように見えるがあくまでも保険加入を示す書類なので、必ずしも身分証明書として100%のカバー率となる書類ではない。
 保険料の未払いなどでは、保険証が発行されないからである。

 その意味ではマイナンバーは住民基本台帳に掲載されている国民であることを基準で、付与されている国民全体をカバーする体形のため、原則としてカバー漏れする体形ではない。
もちろん、無戸籍者という問題はあるが、それはもっと大きな枠組みの問題であり、証明する以前の問題である。
また私のような海外転出者にはマイナンバーが付与されない状態であるが。それは制度移行期の問題であり、海外転出枠を設けてみたり、今後新生児が出生届を行えば次第にカバー率は100%に近づくだろう。

このような証明書としての存在意義を考えると、マイナンバーカードは普及して然るべき存在だという気がする。
身分証明書など必要ないと思っている人もいるかもしれないが、自分が自分であることを証明するのは結構難しいことである。
なりすまし被害は数々の小説や映画にもなっているわけで、自分を証明できる資料というのは、非常に大事なのである。

では、セキュリティの問題はどう考えるか?

これはまず、マイナンバーは身分証明の機能を優先して、その他の機能をあまり紐づけないことが大事なような気がする。

政府関係者からは、あれやこれやの機能を付加して利便性を向上させることにより普及率を高めようとする意見が出ているが、これには反対である。

あくまで身分証明ツールとして、紐づけるデータは最小限にすべきであり、例えば上記の運転免許や保険証なども別番号体系で管理すべきである。

もちろん、各種の手続きの際に証明として番号やカードの提示を求められる可能性あるが、それはあくまでも証明根拠としての提示であり、各機能の管理キーコードとして利用しないことが賢明である。

それでも、この番号に紐づけられた情報の漏洩を懸念する声もあるかもしれないが、運転免許が管理している情報項目とさして違わないという気がする。

運転免許にはやはり、氏名、生年月日、住所、顔写真、交通違反歴、そして運転許可内容が掲載されているわけで。結構な個人情報の塊である。

それらを、自治体役所と警察機構という違いはあれどやはり預けているのだから大きな違いはないだろう。

マイナンバーカードは情報管理には細心の注意を払うとともに、最低限の紐づけ以上のデータリンクを避けながら、安全性の信用度を確保し、身分証明書として利用していくことが、今後のデータ社会においては大事なのではないかと感じている。





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