皺寄せのドミノ倒し

どんな会社でも事情はそんなに変わらないと思うが、一人の社員が休むとき余程その社員が外部に対して用意周到に手配をしておかないと、結局は社内の誰かが休んだ人間の分だけ仕事を背負い込むことになる。

 もちろん背負わされた人間とて、もともと本人の受け持ちの仕事が有るので、休んだ人の仕事を請け負った分だけ自分の仕事が出来なくなる。あるいは残業費などコストに跳ね返ってくる。

 そして、皺寄せを食った人の仕事が100%進まなかった場合、今度は更にまた別の社員にその皺寄せが行く。このように一人の人間が休むことによって他の社員にドミノ倒しのように仕事の皺寄せの波紋は広がる。しかも元々の担当ではない仕事をカバーすることになると、本来の担当が同じ仕事をするよりさらに余計に時間がかかる。
つまり影響を与える人数が多いほど、そのドミノ倒しの影響は深く大きく拡大することになる。これは企業の規模によらず同じことである。

 このことに気がつかず、休んだ当の本人が、自分の担当の仕事がカバーされたからといって、休んだことが会社に大きな影響を与えなかったと考えるのは大間違いなのである。

 まあ生身の人間であるから、病気その他の理由で止むを得ず休むことは誰にでもあり、それを相互カバーしあうのが会社という組織なのだが、そうは言っても誰でも一方的に皺寄せを食わされるのは勘弁願いたいところであり、他人の業務をフォローしたばかりに自分の仕事の成績に影響が出てしまうのは非常に具合が悪い。

 ならば休んだ人間の仕事を一切引き受けずにその皺寄せを拒否しても良いようなものだが、結局は会社という組織で仕事をする限り、そんなことをしたら対外的な信用問題になってしまうので、信用を失わないためにもそれなりにカバーせざるを得なく、結局はドミノ倒しの影響を受けてしまう。

 こういった休むことの影響の大きさを感じていない社員がもしもいたとき、早く本人に気づかせないと目先の実業務への影響はもちろんのこと、周囲に休み得だと思われたら本人と周囲のスタッフの関係が悪化し職場全体の士気に影響する。

例え休まなくても、自分が従来すべき仕事を他人に頼むことが多いような人は、相手の仕事への影響を把握していない自己中心的な意識の場合が高い。

 会社組織というのは契約という関係で成り立ってはいても、やはり人間が働いている以上、人間同士の相互信頼が大事で、助けてもらったら助け返すことが必要である。必ずしも回数の均衡は必要無いかもしれないが、一方的な負担と相手に感じさせた場合はやはり信頼関係が崩れてしまう。つまり休暇一つとっても、例え契約上認められた休暇であっても、こういった業務配慮や人間関係を無視した自己中心的な休暇取得は非常に危険なのである。

 迂闊な休暇取得をしたばかりに、その仕事の皺寄せがドミノのように巡り巡って本人の肩を叩くことがあるのかも知れないのが会社という組織であり人間の社会であろう。
 こういった社会関係に対するの基本的な認識の足りない大人が、最近増えているような気がする。

 
原文





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