パビリオン1割は間に合わず

こんなニュースがMSNの産経ニュースに出ていた。

このニュースを見て「やはりか」というか本当に10%で済んでいるのかというのが裏側から実情を伝え聞く私の率直な感想である。
この10%が間に合わないというのは楊雄常務副市長の話だそうであるが、実際には20%くらいは間に合わないであろうと内部の人間が語っているという。

 しかもこの10%というのはあくまでも建設ベースの話で、パビリオンというからには建物を建設して終わりではなく、展示の調整やリハーサルが必要であろうから、建設が終った後、どんなに短くとも1週間くらい色んな調整をしなければオープンになんぞこぎつけられないというのが日本人的感覚だ。

 私が日本時代にやっていた演劇では、かなり簡単なセットであっても舞台上の作りこみやライティングの調整にやはり一日は費やしていた。そのくらい一つの場所をお客に見せられる状態にするには時間がかかるのである。ましてや外国人などの不特定多数のお客がぞろぞろ訪れるであろう場所の準備がそんなに簡単であろうはずがない。

 万が一、そんなに簡単にできる展示があったとしても、それはわざわざ万博という会場を作ってまで見せるほどの価値の無いものだという判断ができると思う。
 わざわざ大金をかけて、市民や外国の人間に協力してもらって作り上げる万博なのだから、そんなに簡単なものであっていいはずが無い。

 故に開幕しても暫くは半分近くのパビリオンは見られないのではないかというのが大方の予想であるし、ギリギリ間に合わせたようなパビリオンは大したものが展示されていないと考えるのが妥当のような気がする
はてはて全部そろうのはいつの事かと考えると気が遠くなるし、見る価値のあるものが展示されるのかと思うと期待値がしぼんでしまう。

 本来、万博レベルの大規模プロジェクトには、お金の力だけでも政治の力だけでもなく、大企業から中小企業までの街全体の総合力が問われるのであるが、少なくともここまで見る限りでは街としての総合力に不足があり、上海にとって万博開催はやはり5年くらい早かった気がするというのが正直な思いである。





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