最近北京に住み始めた知り合いが、アパートの一年契約をしようとしたら六月までしか契約しないと言われたらしい。どうやらその大家はオリンピック期間中の相場を見て、値上げするかホテルとして貸し出すことを目論んでいるらしい。確かにオリンピック期間中はどの開催国も開催期間中はホテルの価格が高騰する。だからある程度の値上げは目をつぶろう。しかし一般住民のアパートまで値上げされたらたまらない。オリンピックがあろうが無かろうが北京に住む人間の生活は変わらず存在し、オリンピックがあるからといって収入が増えるわけではないので、家賃が払えず住み続けられない人が北京を捨てるかもしれない。都市機能というのは役所の人間から掃除のおばちゃんまで非常に複雑な社会構成の上で成り立っている。だから家賃の値上げによって北京から貧しい人が住み続けられないような状況になれば、実は北京という街そのものが機能しなくなるかもしれない。そうなればオリンピックどころではない。
そういえば先日行なわれた、北京マラソンへの周辺住民の無関心振りが、日本でも話題になっていた。オリンピックとマラソンの単独大会では規模が違うとはいえ、翌年オリンピックが行なわれる都市とは思えないほどスポーツそのものには盛り上がっていない。
チケット販売のニュースを見ていても、買える金も持たないのに転売目的のために申し込んだ人が多数いたらしい。どうやらこの国には北京オリンピックを金儲けの契機としかみていない人が大勢いるらしい。
オリンピックが終わったら住む人が減ってしまって街が廃れてしまったなどということがない事を願いたい。