腰を据えてみるつもりはそれほどなかったが結局開会式を見てしまった。
残念ながら日本の放送ではなくCCTVの放送で、やかましい解説付きであったが画像は本物なのでここは外国で見る身としては仕方ない。
結論から言うと今回のロンドン五輪の開会式は安心して見られたにつきる。
下手な国威形容のゴリ押しの演出もなく市民スタンスの雰囲気、インチキまがいの合成映像演出もなく自然な流れ、闇に消された映像と花火のごりおし演出もなく人の顔が見えるパフォーマンス、嘘くさい友情の演出ではなく自発的な友好の雰囲気の醸成、何もかも素晴らしく、大人の国のオリンピックだなという感じだった。
当初ポールマッカートニーあたりが点火の儀式をやるのではないかと予想していたが、過去の名誉に頼らず欲張らず若手に託す当たり、大人の対応で流石グレートブリテンである。
指揮者ラトルとロンドン響はともかく、そこにミスタービーンを登場させてしまうあたりイギリス流のユーモアもよい。
そして参加国一つ一つが持ち寄ったランプを合わせて、聖火台にしてしまうあたり自国の国威形容をゴリ押しする国や国民には出来ない演出だった。
2020年を目指す日本としては、まあ開催できるかどうかはともかく、成熟した国の大人のオリンピックとして見習うべきものが沢山あった開会式であっただろう。