新国立競技場はA案になると予想する。

 今年の夏の新国立競技場の建設費問題を受けて、新たな2案が提出され、昨日その2つの案の技術計画書が明らかになった。

新国立競技場案 左がA案 右がB案

 まあぱっと見の外観は、2案とも以前のザハ案に比べると地味でシンプルな外観は似ていて、それほど差がない。
 示された総工費もほとんど同じで、それほど差があるようには思えないものである。

 確かにデザイン的な差はあり、A案はスタジアムの周りを緑が取り囲むようなデザイン、B案は非常に大きな木の柱がスタンドを支え、ある人に言わせるとスタンドが白磁的な印象で斬新なイメージがあるとのこと。

 しかし最初に書いた通りスタジアムのデザインと言う意味ではほとんど五十歩百歩であり、好みの差は多少出るとしても決定的にどちらがどうというものではないという気がする。
 つまり、デザインの写真だけを見た時点では私はこの両案どちらでも良いなという気がしていた。
 
 しかしである。
 
 JSCのホームページに掲載された技術提案書を見て考えが変わった。

 A案の方が遥かに有利だなと感じたのである。

 もちろん、B案の方に悪い点が見つかったということではないが、A案のほうが遥かに練られた提案書のように映ったからである。
 A案の提案書では徹底的なシミュレーションが様々な観点から行われており、それを細かく明らかにし、随所に工夫の数々を施してあることがはっきりPRされていた。

 例えば夏場に行われるオリンピックを考慮して、風を取り入れた場合の気温のシミュレーションや、非常時の観客の避難ルートや時間、はては日照シミュレーションによる芝の育成までありとあらゆる面で想定が行われており、維持コストの低減を含め実に細かく数多くの提案が行われている。

A案の提案書

A案の提案書

 これに対してB案はデザイン的には斬新で分がありそうなものの、細かい技術説明の部分が概念的で具体性に欠ける説明なのである。
 恐らく本来両方の業者とも技術的にはほとんど差がないと思われるが、比較してしまうとB案の提案書は明らかに準備不足の計画に映るのである。

 これでは、やはり信頼度の面でA案になるのは目に見えていると思われる。

 実は巷の噂によるとA案は隈研吾さんデザインで大成建設と組んだもの、B案は伊東豊雄さんデザインで竹中工務店+JVと組んだもののようだが、旧ザハ案でスタンドを受注していたはずの大成建設が人員も資材も確保できている点で準備は万端らしく、それ故の今回の提案書の差でもあるようだ。

 まあ今回のコンペが出来レースとまでは言わないが、あくまで国民を納得させるために競争入札という建前を守って2案が提示されたに過ぎないようで、最終的にはA案が受注されるのはほぼ間違いないだろうというのが私の見立てである。



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