「お・も・て・な・し」の出来ない日本

 以前も「外国人になってわかる、五輪放送の地元偏重」で書いたことだが、今回のオリンピックやパラリンピックの報道は日本応援の偏重が甚だしいという印象を持っている。

 「〇〇選手は銅メダルを獲得しました」と、日本の選手の結果だけを伝え、その種目の金メダリストの名前すら伝えず、五輪の金メダリストへのリスペクトがまるでないのである。
 先日のオリンピックのみならず、いま行われているパラリンピックも同様で、極端な偏重報道に、見ようという興味を失っている。

 これが、海外で行われた五輪ならいざ知らず、今回はホスト国としてコロナ禍の大反対を押し切って実施しているにも関わらずこの報道なのである。
 別に私が今中国に住んでいるから中国の選手も応援しろとか、そんな視野の狭いことを言っているわけではない。

ホスト国であるならば、はるばる日本にやってきた選手をリスペクトし、その活躍を労り賞賛する役割を担うべきと思うのである。
 日本が自国の多様性を標榜するならなおさらである。

しかし現状は日本の報道は海外選手の活躍をほとんど伝えず、自国の選手の応援に終始している。

もちろん、各国からは各国のメディアが取材に来日して自国へ自国選手の活躍を伝えてはいるが、コロナの影響もあって人数も絞られ、十分な取材体制がとれておらず、伝えたい情報が絞られているだろうに思われる。
このような状況であればこそ、なおさらきちんとホスト国の日本のメディアが各国の選手を賞賛して世界に発信してあげるべきである。

 一方で、日本メディアは海外の記者からの「こんなに評価されている」などと、リップサービス的言葉を真に受け歓喜し、逐一記事にして報道している。

 そんなに海外から褒められるのが嬉しいことがわかっているなら、海外から来ている選手をきっちりと取り上げて褒めて発信してあげるべきであろうに思う。
 それでこそ招致コンペの時にアピールしたホストとしての「おもてなし」の精神であろう。

 たいそう立派なおもてなし精神を喧伝して五輪を招致したのにかかわらず、いざ本番となったら、海外選手へのおもてなしやリスペクトを忘れ、自国選手の賞賛の記事に終始している姿は、ホスト国としてとても恥ずかしい。

 結局「おもてなし」精神とは、招致目当てのその場限りの都合の良い方便のごまかしでしかなかったと捉えられても仕方ないのである。

 開閉会式が内向的でわかりにくく海外から評価がよくないのは、このように自国のことばかり見つめ、海外への視野が開けていないからだと感じるのである。





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