俳優の三國連太郎さんが亡くなった。
世間では最近まで出演し続けていた釣りバカ日誌のインパクトが強いようだが、私個人の映画鑑賞履歴の中では、「ビルマの竪琴」や「八甲田山」での印象が強い。
若いころはキリッとした好青年で、年老いてからも味のあるおじいさん役が似合っていた。
いずれにしても存在感のある名優の1人であり、昭和の名優がまた一人逝ってしまったという気がしている。
あるところで聞いたところによると、彼はずっと自分に自信がなく生きてきたようで、出演した映画にも役どころにも自信がなく、そのコンプレックス故に弛まない努力を続けていたようで、さらにいつ俳優を止めていてもいいと思っていたから思い切った演技や監督らとの衝突も厭わなかったとのこと。
まあ世の中の自信満々を語る奴には実際に大した人はいないという気がしており、こういったコンプレックス的な部分を持つ人こそ逆にあのような名を馳せる人を生み出すのかなという気がしている。
人が努力をするきっかけは人それぞれだが、常に地位に安住せず高みを望む姿勢が人の成長を生むのは確かなようである。
そんな見本の名優が逝った。
故人のご冥福をお祈りします。