最近、アプリケーションソフトの会社やコンサルト系の会社から売り込みの電話を受けたりするのだが、大体はあまり話を聞かず断わっている。
もちろん費用が発生する話であるから財布を心配して渋るという理由もあるのだが、理由はそれだけではない。
彼ら営業の話は、そこに有用な話が含まれていたり、世間の動向を伝えてくれたりするので、情報を仕入れるという意味では話を聞いたり、会ったりする事は決して無駄なことではない。
しかも彼らが提案する内容が実現すれば、それなりの業務改善が出来るのであろうと思える場合も少なくない。
では、何故断わるか?
実は日本の会社にいたときも、今の会社になってからでも状況を好転させるための無数の仕組みや制度などを取り入れてきた。しかし見られた効果はごくわずかだった。
それは何故か?
実は優れた仕組みのソフト、システムを取り入れたにも関わらず、それを使う側の人間の意識が低く、その新しい制度や仕組みを面倒くさがって活用しないからである。
それがきちんと活用されていれば、それなりの効果があったはずであろうと推測されるにも関わらず、ほとんど活用されずに効果もそこそこに終っている。
つまり彼らの提案が悪くないものであっても、それを活用する人間の意識が低くければ、結局は宝の持ち腐れになる。
しかも制度や仕組みを準備した苦労の分だけ骨折り損になっている。
もちろん、取り入れた制度やシステムに使いにくい部分があるというのも一つの要因かもしれないが、活用して業務を改善しようとし意識が高ければ、その使いにくい部分を改善しようとするに違いない。その意見が出てこないということは結局は活用の意識が低いということにほかならない。
にもかかわらず、そんな技術を活用しきれない人に限って、さらに業務改善のプレッシャー受けると技術的な部分に答えを求めようとする。
でもそれではやはりうまくいかない。
そんな事例を沢山見ている。
だから敢えて、新しい提案はとりあえず断わる。
意識が追いついていなければ無駄金になるからだ。
そんな金を払う前にやるべきこと、やれることは幾らでもある。
業務改善は技術より意識の問題である。