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なでしこの勝因はケアの差?

 W杯でアジアで初めて優勝したなでしこJAPAN、誰も語ってないので自分で書くが、今回の試合中継を見ていて印象に残った対称的なシーンがあった。

 それは、90分のゲームを終えて延長戦に入るまでの両チームの時間の過ごし方である。

 アメリカチームはなかなか打破できない苛立ちの表れなのか、監督が一生懸命に日本の壁を突き破るための作戦を話していた。その間アメリカチームの選手たちは立って一生懸命に話を聞き入っていた。

 それに対して日本チームはピッチに立っていた全員が足のマッサージなど体のケアにまわっていたのである。
90分の疲れを可能な限りとり、延長戦の30分間に備えていたのである。

 結局その休憩の間、アメリカチームは全くといっていいほどボディケアをやらずにすごし、逆になでしこはほとんどコンディションケアのためだけに時間を使った

 つまり片方は作戦会議で時間を過ごし、片方はコンディション作りに時間を使ったのである。
 
 アメリカチームは体の大きな選手が多かったので頑丈なアメ車のごとくあと30分くらいのゲームのコンディションには自信があったのかもしれない。

 日本は体が小さい分元々ボディケアには非常に気を使っていたのかもしれないまたもうあの時点まできたら、なでしこたちにとって作戦どうこうが問題ではなかったのかもしれないし、自分たちのサッカーを最後までやりきすれば必ず勝てる、そう信じていたからこそ作戦ではなく、コンディションを優先したのかもしれない。

 お互いどんな理屈の元でそう過ごしていたのかは実際に訊いてみないとわからないところではあるが、とにかくこれを見ていたとき、私はなんとなくなでしこたちの勝利を確信した感がある。

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 そして延長戦が始まった。

 私の見立てが正しければ、前半を無失点で乗り切れば後半にチャンスが来る、そう見ていた。
 
 そして私の予感はあたりつつあった。アメリカチームのパワーやスピードは確かに相変わらずの感があったが、既に延長前半からパスやキックの精度が落ち始め、ミスが目立ち始めていた。

 まあ延長前半終了間際に点をとられてしまったときはさすがに計算が狂ったなと思ったがそれでも焦りは感じなかった。

 あと15分もあるじゃないか、時間がなくなるまでチャンスはいくらでもあるし、相手は必ずへばってくる、そして同点にすればこちらのもんだ、そう思って見ていたのである。

 そして終了間際に沢選手の同点ゴール。

 私はここでまだ同点なのに不思議と勝利を確信した。

 同点とあればPK戦で、おそらくアメリカチームの選手にPKのキックを確実に蹴る精度は残っていないだろうと感じていたからである。同点にされた精神的ショックも小さくないはずである。

 そして案の定、PK戦が始まると、アメリカの選手のPKは精度を欠き3連続で入らなかった。

 PKを止めた海堀選手の功労の価値を下げるつもりはないが、延長前に体のケアを怠ったあの休憩時間のすごし方があのミスキックや海堀選手にコースを防がれるキックに繋がったような気がするのである。

 そしてなでしこの勝利。

あの休憩時間の過ごし方、つまりケアの差が今回の明暗を分けた、私はそう思っている。

 
とにかくおめでとう、なでしこJAPAN!

日本の被災者のために車を売ったドイツ人の話

 今回のなでしこJAPANの記事を追いかけていたらこんな記事に出くわした。
 毎日新聞社のサイトに出ていた話だが、日本の大震災のあと救助ボランティアとして日本へ駆けつけたドイツの人の話である。

 アンドレアス・タイヒャートさんというドイツの元消防団員の方で、3月の震災直後に日本にやってきたが、被災地で見た泥の中の木の人形を一心不乱にふく老人の光景が忘れられず、自分ボランティア資金が底をついたにもかかわらず「全てを失った人を見た後、私の車なんか何の価値があるのか考え込んでしまった」と自分の車を売って資金を得て、再度5月に日本へやってきて被災地支援活動をやったという。

 そして今回のなでしこJAPANの活躍にさらに背中を押され、スポンサーを探してまで三度日本を訪れ、被災地支援活動に奔走し、恐らく今回の優勝シーンも日本で見たであろうとのことだ。

 このようなタイヒャートさんの人道的な行動力には敬服するばかりであり、日本人としてこの行動に感謝するのと同時に、外国人にこれだけのことをやらせておいて、被災者と同じ日本人である自分の行動がまだまだ中途半端であることを実感した。

 まあ私はお金の面では売るような車もないので気持ちばかりの義捐金を出すのが精一杯だが、全てを失った人のことを思えば、まだまだ自分にはやれることがあるんじゃないかと考えてしまう。

 そして今回のなでしこJAPANの優勝についても、一番苦しいであろうと思われたドイツ戦の前に震災のビデオを見せられたという記事を読んだ。
 この件が選手たちに、背中の後ろにいる人たちを感じさせる強烈なメッセージとして伝わり、どんなに苦しくても投げだせない気持ちの強さが生まれ、今回の驚異的な粘りを生んだのだと言われている。
 今回なでしこたちが優勝できたということは恐らく日本が負った傷がそれだけ深く癒えていないということの裏返しであるように思う。

 そう、まだ震災は終わっていないし、過去にもなっていない。そのことを忘れそうになっている自分をこの記事は気づかせてくれた。

 自分にできる行動を改めて考えたい。

※元記事が無くなってしまったので記事を転載されている方のブログを掲載します。