日本の被災者のために車を売ったドイツ人の話

 今回のなでしこJAPANの記事を追いかけていたらこんな記事に出くわした。
 毎日新聞社のサイトに出ていた話だが、日本の大震災のあと救助ボランティアとして日本へ駆けつけたドイツの人の話である。

 アンドレアス・タイヒャートさんというドイツの元消防団員の方で、3月の震災直後に日本にやってきたが、被災地で見た泥の中の木の人形を一心不乱にふく老人の光景が忘れられず、自分ボランティア資金が底をついたにもかかわらず「全てを失った人を見た後、私の車なんか何の価値があるのか考え込んでしまった」と自分の車を売って資金を得て、再度5月に日本へやってきて被災地支援活動をやったという。

 そして今回のなでしこJAPANの活躍にさらに背中を押され、スポンサーを探してまで三度日本を訪れ、被災地支援活動に奔走し、恐らく今回の優勝シーンも日本で見たであろうとのことだ。

 このようなタイヒャートさんの人道的な行動力には敬服するばかりであり、日本人としてこの行動に感謝するのと同時に、外国人にこれだけのことをやらせておいて、被災者と同じ日本人である自分の行動がまだまだ中途半端であることを実感した。

 まあ私はお金の面では売るような車もないので気持ちばかりの義捐金を出すのが精一杯だが、全てを失った人のことを思えば、まだまだ自分にはやれることがあるんじゃないかと考えてしまう。

 そして今回のなでしこJAPANの優勝についても、一番苦しいであろうと思われたドイツ戦の前に震災のビデオを見せられたという記事を読んだ。
 この件が選手たちに、背中の後ろにいる人たちを感じさせる強烈なメッセージとして伝わり、どんなに苦しくても投げだせない気持ちの強さが生まれ、今回の驚異的な粘りを生んだのだと言われている。
 今回なでしこたちが優勝できたということは恐らく日本が負った傷がそれだけ深く癒えていないということの裏返しであるように思う。

 そう、まだ震災は終わっていないし、過去にもなっていない。そのことを忘れそうになっている自分をこの記事は気づかせてくれた。

 自分にできる行動を改めて考えたい。

※元記事が無くなってしまったので記事を転載されている方のブログを掲載します。





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