何故、急に知的財産権保護か

 万博PRソングのパクリ疑惑の際、万博事務局は「中国政府は万博の知的所有権の保護を非常に重視している」との姿勢であることを宣言し、岡本真夜さんに曲の使用許可を申請したことはニュース等で周知のことであると思うが、このニュースで少々疑問に感じた部分があった。

 それは、何故急に今になって著作権保護を強く言い始めたのだろうということである。

 もちろん好意的に見れば、「万博を行なうような国になったので、今後の中国の発展のために、国内ルールを世界標準に近づける必要がある」という政府側の成長戦略の一環の意図があると受け取れる。
きちんと道義的な義務をようやく果たす気になったのかという受け止め方である

 しかしである。
 
 そんなに素直に受け取って良いのであろうかとすこし懐疑的になった。
 この国の人がお金にならないことにそんなに急に一生懸命になるのかという疑問である。
やはりそこには中国人を動かす動機、つまりお金が絡んでいるのではないかという疑問が沸いて来る。

どういうことかといえば、知的財産権保護を強化することによって、中国のどこかに大きな利益がもたらされるだろうという目論見があっての今回の方針強化が謳われたのではないかという見方である。
 現に、今回の万博会場内では、会場内で使用される音楽に対して会場の面積に応じて著作権料が徴収されることになっている。こんなこと今までの中国のイベントごとでは聞いたことがないし、少なくともニュースにはなっていなかったように思われる。

 このように徴収された使用料がそれなりに巨大な金額となることは明らかであり、大きなお金が動くところは必ず利権の温床となり、表立った不正はないとしても利権によって潤う人は必ず出てくるはずである。
 万博に限らず、コピーDVDや偽ブランド品など知的財産権保護によって利益を生みそうな社会状況はそこここに転がっている。
 そういう目論見のもと、知的財産権保護に動き出したのではないかと推測されるのである。

 ただ今までコピー商品に悩まされ続けてきた外国企業にとって見れば、知的財産保護の強化は非常に嬉しいことのように見える。

 しかし、必ずしもそうとは言えないのがこの中国。

 つまり政府納入商品の企業コードを開示するように求めたり、他国の技術を使って作った新幹線を自国産だと言い張る国であるから、知的財産権の保護が外国企業に理不尽な返す刀となってこないとも限らないのである。
 
 さて話を岡本さんの話に戻すが、今回の彼女の曲が開幕式で使われなかったことに対して、被疑者がまだ正当世を主張しており問題がまだ燻っているので敢えて使わなかったという見方が世間ではほとんどのようであるが、私の見方は違う。

 あの曲を使えば、また使用料が余分に発生してしまいお金を岡本さん側に払わなければなくなるから使わなかった、こういう見方である。
 つまりケチ臭い了見である。

 音楽使用料を徴収する以上、それぞれ作曲者側にもお金を払わなければならないが、岡本さんの曲を使えば彼女への使用料が発生する。世界へ報道されたりするイベント規模を考えればその使用料は馬鹿にならない。著作権徴収のルールをきちんと定め、徴収する側を強化する以上、著作所有者側へ払う方も世間が注目しており、ないがしろに出来ないのでここをケチったというわけだ。

 これが谷村新司さんのように本人が出演すれば本人のギャラだけで済んだはずだ。あるいは友情出演ということで渡航費負担だけで出演してもらったのかもしれない。飛行機代とホテル代などスポンサーを絡ませればどうにでもなるであろう。

 こうやってお金を判断基準にすると、中国の知的所有権保護がいかに中国側の利益動機によって決まっていこうとしているのかがよく分かるような気がする。

 ところで、開幕式で使われていたオルフ作曲のカルミナブラーナは、効果的な曲であるが故にどんなイベントでも使いたがるのだが管理が厳しく許可が出にくいので有名な曲である。

 それが今回は使われていたので万博の大義を掲げて利用許諾をとったものだと思うが、まあこの曲を使っているというステイタだけでも国家の威厳を主張している感がある。まあそれにしては安っぽい使われ方だったが、、、。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA




Booking.com