ラジオの記者が伝えていた話だが、豪腕で日本に金メダルをもたらしたソフトボールの上野選手は、普段の生活ではほとんどその利き手である右手を使わなかったそうだ。
聞くところによると、会社のお偉いさんから握手を求められて右手を差し出されたときに、左手で差出し返したという。握手で下手に強く握られるなどしてつまらない刺激で右手の筋肉や指先の感覚を狂わされるのを恐れていたようである。
それほどまでにして、守らなくてはならないほど彼女にとっての右手は大事で、つまりそれは彼女のオリンピックの金メダルへのこだわりの証であった。こういった日常の生活からソフトボール最優先で生活をし続けきた結果が結実して今回の金メダルとなったようだ。
そういう面では、比較して申し訳ないが日本の野球に関して言えば、決して手を抜いているわけではないが、熱さの面でソフトボール女子や対戦相手の韓国ほど、金メダルへのこだわりが足りなかったのが今回の結果のように思う。
皆がオリンピックの金メダルを目指す中、やはり想う心が一番強い人やチームが、頂点に立つのだと思う。
そういう意味では、政治的な要因で世界から叩かれながらも、自国開催のオリンピックに純粋に集中してきた中国選手が、金メダルの数で圧倒しているのは至極当然の結果とも言える。
この上野選手のこだわりがもたらした結果に我々にも見習うべきところがたくさんある気がする。