ドーピング違反は本当に少なくなったのか?

 前回のアテネオリンピックでは24件ものドーピング違反があり、ハンマー投げのアヌシュ選手が検査拒否により金メダルを剥奪され、日本の室伏選手が金メダルに昇格したのは記憶に新しいところだが、今北京オリンピックをみると今までに違反件数はたった4件である。
 今オリンピックではアテネ大会以上にドーピング検査体制の強化が言われ、検査回数も検査項目を増やすといわれており、実際に検査回数は増やされていると報道されている。
 にも関わらずドーピング違反の件数は激減している。
 事前のアナウンスや、世界の主な競技大会の検査体制が強化されたことが効いて、ドーピングを試みる者が少なくなったという言い方もできなくはない。
 違反者がいないことは非常によいことと素直に解釈できれば良いのであるが、あまりにも優秀すぎると、世界を取り巻く環境からすれば、本当に今回の検査体制が有効であったか疑いたくなる。つまり検査精度が低いのではないかという疑いである。

 また、アテネのオリンピックの違反者の内容を見ると、違反者は東欧、アフリカ、ギリシャなどに集中しており、オリンピック強豪国のアメリカや中国からの違反者は出ていない。ドーピング検査の専門家によれば、ドーピング物質の開発技術は、検査技術の2歩も3歩も先に進んでいるといい、残念ながら現在の検査体制で全てのドーピングを見抜くことは難しいらしい。つまり現在の検査体制に引っかからないドーピングが行なわれている可能性は否定できないということだ。
 そうなると今回の金メダルラッシュの中国を羨む私としては、失礼ながら中国選手が全く何にもやっていなかったのかと疑いたくもなる。現在の規定の禁止薬物や禁止方法に違反しなければシロということになってしまうのかもしれないが、検査体制が追いついていない部分でのドーピングであってもルール違反であることには変わりない。
 開会式や餃子事件まで、いろんな場面で隠蔽体質を見てきたこの中国であるが、せめてオリンピックの競技の結果くらいは何も疑いもない金メダルラッシュであったことを願いたいが、こうもドーピング違反件数が少ない状況を見ると、検査員の買収や隠れドーピングはなかったのかなど、下種な思いがよぎり、一抹の不安を覚えてしまう。





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