なかなか増えない中国のトイレ

 8年も上海に暮らしていて今更なのだが、中国というのはあまりトイレの設置を重要視していないのではないかと感じる時がある。
 あるいは、トイレの設置は無駄な経費だと感じているのではないかと思うのである。

 例えば最近でこそ地下鉄各駅にトイレが設置されるようになったが、私が上海に来たばかりの頃は地下鉄の駅にトイレがほとんど設置されていなかった。
 今では各駅にほぼトイレがあるようにはなったのだが、現在でも設置率は100%ではないようだし乗降客の割にはどうにも数が少ないように感じる。
 例えば1日70万人利用されるとされる人民広場駅には、3本の地下鉄路線が乗り入れているが、トイレの数は各ホームに一カ所ずつしかなく計3か所しかないのである。
 しかもトイレ一つ一つのキャパが非常に小さく、男女それぞれ数人ずつの分しか用意されていない。
 まあ人民広場駅の場合は一歩外に出れば人民公園があり、そこには公衆トイレもあるのだが、それはそれであり、70万人も利用する駅なのにトイレが3か所×数人分しかないのである。
 また上海市内の大きな百貨店の中でも1フロアにトイレが一カ所ずつしかないところが少なくなく、オフィスビルでも同様で、どうもフロアの大きさの割にはトイレの数が少ないなと感じるビルが少なくない。
 この点日本には労働安全衛生法という法律があって、就業場所におけるトイレの設置個数が細かく定められ、男性用は30人に1つ以上の小便器を設置するなどといったことが決まっているが、中国ではそういった法律がどの程度決まっているか分からないが、設置数そのものはやはり日本に比べて非常に少ない印象なのである。
 じゃあ、中国人達はトイレに行く回数が少ないから数が少ないのかと言えば、恐らくそんなことは無いのであり、多少の差異があったとしても人間としてそんなに極端な違いがあるとは思えない。
 ならば彼らはどうしているのかと言えば、つまりはトイレを利用せず屋外で用を足していることになる。
 実際、上海の街でも人通りの多い街中はともかく、ちょっと外れた住宅街などでは、あちらこちらで茂みや壁に向かって用を足す姿が見られ、切羽詰まったというような状況でなくとも抵抗なく屋外で用を足す。
 さらに子供に至ってはローカル商店の立ち並ぶ店先でも用を足している姿が見られる。
 その極端な現れが地下鉄車内などでの子供の用足しであり、時々ニュースにもなっていて我々日本人からすると非常識極まりないという話になるが、彼らにとっては規範の出発点が違うので、親にとっては「子供だから仕方なかった」という程度の扱いにしかならない。
 それ故に残念ながら上海の街の中でもこういったマナー水準のお蔭で、街角に小便臭いところがあちらこちらに有るのである。
 地元の人は慣れていて気にならないのかもしれないが、私などは非常に気になり、こういうところに気がつくと改めて街の不衛生感の面を強く感じるのである。
 まあトイレが少ないから屋外で用を足すのか、屋外で用を足せば足りるからトイレ設置の重要性が大きくならないのか分からないが、とにかく大都会になった上海でさえ、まだそのマナーは改まりきらない。
 このトイレに対する重要性、少なくとも駅やデパートなどのトイレの数を増やす意識や屋外での用足しの習慣が改まらなければ、外国人の中国に対する悪い印象は永遠に拭い去れないだろうに思われる。





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