一年ぶりに帰国した。
先日、両親が上海に遊びに来たばかりなので、親の顔を見ることに関してはそれほどの大きな大義名分は無くなってしまったのだが、一年も日本を空けるといろいろと雑用がたまり、日本に帰らなければ出来ないような用事も存在するので、久しぶりの帰国となった。
その用事のうちの一つが携帯電話の機種変更である。
中国に来てからも色んな利便性を考えて日本の携帯電話は生かしておいてあるのだが、何でも来年の7月になると、今の携帯電話が使用している800MHz帯の周波数再編の再編を行なうため、「CDMA 1X WIN」の利用が出来なくなり、今の端末は利用できなくなるので交換が必要になるということらしくその旨AUから通知が来ていた。
気がついてみれば今の端末は中国に来る前から使っているからトータル5年以上も経っている。
まあこの間ほとんどの期間は中国にいたのだから本体自体はそんなに傷んでないのだが、使えなくなるというならば交換せねばなるまいと思い、帰国した足でそのまま近所のAUショップに行った。
さて早速店員に今回の通知を受けて手続きしに来たんだと告げると、これこれこういうサービスが受けられますと説明され、交換可能な機種を提案された。
その中で価格バランスなどを考慮してまあいいかなと思ったのはT社製の機種だった。グローバルパスポートで海外でも利用できる機種だ。
この機種なら今回の私のケースの場合、通常の機種交換よりもさらに5250円安くなるとのことで21000円が提示の購入価格であった。
実はさらに私自身は契約で貯まっていたポイントがあり、それが14000円程使えるので、今回7000円程度の出費で済むはずなので、随分得したなと喜んでいた。
ところがである。
機種交換の手続きを始めた店員が途中で、
「あれ、お客様の登録住所は○○○市ですね。そうすると被災者割引が受けられます」と言った。
え?○○○市は被災地なの?
店員の言葉に耳を疑った。
そう、私の地元の○○○市は実は地震のときに液状化現象や一部で建物の倒壊が起きていたらしく、他の会社ではどうなのか知らないがAUでは被災地扱いになっているとのことだった。
これにはちょっと驚いた。
私の実家は、もちろん地震で大揺れに揺れたらしいが、建物の倒壊や破損などはなく、もちろん両親は無事で僅かにサイドボード内のコップが割れたくらいのことであったので、自分が被災地扱いの対象に含まれるとは思いもよらなかった。
ましてや自分は地震発生時に上海にいて揺れすら経験していないのである。
うーん、俺も被災者の扱いを受けていいのか?
そんな疑念にさいなまれながらも、まあ今回ルールはルールということで結局被災地優遇を受けられることになった。
この被災地優遇のお陰で、なんとその7000円の出費すらなくなり全く無料で機種交換が完了してしまった。
まあ無料になったのは個人的には大変有り難いが、なんだか本当に深刻な被害を受けている人々に申し訳ない気分である。
この得した分は何か世の中に還元を考えるべきかもしれない。