最近の日本のニュースを見ていると、政治家の発言がどうも軽すぎるなという印象を受ける。
置かれている立場を考えず、ポロッと本音を言ってしまって騒ぎになっている。
人間正直なことはよいかもしれないが、政治家たる公な存在に限っては全てを正直に語るのはいささか考え物である。
もちろん口から出まかせで、その場を乗り切るような態度を望んでいるわけじゃない。
よく根拠を確かめもせず、分かりもしないのに想像や勝手な推測だけでその場を乗り切るというのは一番最悪である。
まあそんなのは論外なのだが、そういう人間も実は世の中少なくない。
思慮が浅いのかモノを知らないから怖いもの知らずなのかわからないが、よくまあそんな上っ面でモノを語れるものだと感心する人もしばしばみかける。
現在、日中関係や日露関係でいろいろゴタゴタしているものも皆、あまりにも状況に対する思慮が足りず正直にモノを言い過ぎる面が悪影響を与えているような気がする。
発言が与える影響などにもう少し気が回らないものであろうか?
例え語った内容が正論であって、そして周りの誰もが知っていることであっても、やはり社会には絶対そのことを正直に語ってはいけない立場と内容があるのである。
大相撲の八百長問題もそうだが、周りの人も有るかもしれないなとは思いつつも、実際「ある」という証拠を見つけたり、他人に迷惑をかけなければ、まあ「大人のお約束」ということで敢えてそこを突くことはしまい。
でも今回の八百長事件のように証拠を見つけてしまえば、やはり「悪」ということになり相撲界は世間から叩かれてしまう。
全てはあうんの呼吸で!というのがものごとを処理する一つの社会のあり方である。
また昔ある人がいっていた言葉で非常に印象に残っている言葉がある。
「解決しないのが最大の解決法だ」と。
とても含蓄の深い言葉であり、これがひとつの社会真理だ思う。
特に国際関係などお互い主張を譲れないような場合は非常に意味のある言葉となってくる。
しかしそうはいっても、この言葉もひとつの立場を持つ人にとっては、思ってはいても使ってはいけない言葉の一つである。
寅さんの口癖よろしく「それをいっちゃおしめぇよ」となる。
言わぬが花とはよくいったものである。