ひらがなとカタカナの説明に苦労する。

先日こちらの銀行で手続きを行った時のことである。

 通常の外国人の身分証明の手段としては、中国においてパスポートが唯一無二の存在のため、私を表す名前というか記号はローマ字の英字が唯一の存在である。
 ただそれはここが外国である中国だからであり、パスポート上の表記が唯一とされるからそういう扱いとなっている。

 しかし、母国である日本国内においては、もちろんパスポート上の英字表記も認められなくはないが、基本的には漢字表記が戸籍上に乗っている正規の姓名登記となっている。
 そもそも日本では出生届の際には読み仮名が届けられているはずだが、戸籍事務上では今のところ読み仮名は取り扱われていないようである。

 先日、この点について日本政府内で記載を検討するかどうかの諮問が行われたようだが、今のところ実施時期は未定であり、漢字が唯一の証明書表記の名前となっている。
(名前にかなが含まれている場合を除く)

 このように姓名の名前表記は漢字が基本という日本の個人証明制度ではあるが、皆さんが当然理解されているように日本語には平仮名と片仮名の文字が存在しており、当然ことながら漢字でつけられた氏名もこの平仮名と片仮名で表記可能である。

 我々日本人は当たり前のようにこのような漢字プラス2種類の補助文字である「かな・カナ」と英字表記というかなり複雑な文字表記文化の中に生きている。

 しかし、こんな厄介な文字文化を持つ国は世界でもまれである。
このような複雑な文化を持った理由についてはまたいつか考察するが、世界の中で珍しくかつ厄介な言語文化であることには変わりがない。

 で、本題に戻るが、今回銀行でパスポートを提示したときに、対応してくれた行員はまず日本語でも中国と同じ漢字を使用していることを理解していなかった。

 それゆえ、日本の漢字と中国の漢字に一部の違いがあることも理解していなかった。

 残念ながら私の名前の漢字の一つは日本の漢字と中国の漢字の簡体字では表記が違う文字が一字あり、そこも説明が必要だった。

 そんな行員の理解度なので、申請資料にサインをする際にも、なんと英字プラス漢字のサインのほかに「日本語でもサインを」と言われたのである。

 さらに、行員は幾つかの審査をする過程において、どこから調べてきたのかわからないが、私の名前のかな表記とカナ表記を記した紙を見つけてきて、「これは何だ?」と私に提示してきたのである。
 「あなたの資料を検索しているうちに、この名前のデータがありました」と言われたのだ。
 
 もちろん自分の名前であるから「私の名前だ」と説明したが、なかなか理解されず、これは表音文字で中国語のピンインと同じようなものだと説明し、ようやく理解された。
 
そのうえで、漢字とかな・カナの文字の対照も一文字ずつ説明し、ようやく納得してもらえなんとか手続きを終えたのである。
 まあ私の名前のかな・カナ表記を調べ上げる中国の情報網も凄いものがあるが、日本語の文字文化の特異さを改めて実感した今回の出来事だったのである。





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