先日、ある法律関係の人に話を聞いたところ、中国の企業にはあまりパワハラやセクハラの概念が浸透していないということらしい。
このパワハラという言葉は2001年に初めて登場した和製英語らしいのだが、日本でさんざん騒がれているこの概念も中国ではまだ認識が薄いようなのである。
もちろん、従業員が精神病に認定され自殺したり暴力で障害を負ったりすればそれなりに大事になるようだが、日本のように上司の振る舞い一つが問題になるようなことはあまり無いようである。
但し、誤解してはいけないのは、中国の企業内で日本でいうパワハラやセクハラに該当する事例が発生していないのではなく、寧ろワンマン経営者が非常に多い中国社会においては、日常的にパワハラセクハラ事例が発生しているのであって、問題が起きていないわけではないということ。
しかも違法観念がないために、日本より悪質なケースが多いというのも事実のようだ。
しかし中国では権威主義的な階級社会が日本より浸透している面があるのと、上司が嫌なら従業員側がすぐ辞めてしまうのが常であるため、経営者や上司がパワハラなどで訴えられたりするケースは非常に少ないらしい。
それ故にパワハラ・セクハラは言葉としても概念としてもあまり浸透していないのが実態となっている。
まあ法的対処についても、日本でさえパワハラそのものを規制する法律はまだなく労働基準法や民法の規定により捌かれているのが現状で、ましてや中国ではパワハラ・セクハラ概念がないため、上記のように精神病認定などを受けない限り、問題行為として追及が難しいというのが実情らしい。
従って、これらの問題を解決するには、現状の法律に則した形で責任を追及するほかなく、パワハラ・セクハラ概念を振りかざしただけでは従業員にとっての問題解決には結びつかないのが実態のようである。
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