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試用期間で解雇を繰り返す経営者

知り合いの会社で中国人が一人、試用期間で解雇されたらしい。
理由は業績が伸びなかったためだという。労働契約を締結せず3ヶ月の試用期間を働かさせられ、3ヶ月間の雇用期間終了の前日に言われたらしい。
3ヶ月の試用期間で実績を測られてしまうのは、何とも競争社会の厳しい実態を感じるものがあるが、実はこの経営者過去に何人も試用期間での解雇の実績があるらしく能力が高かったと見られていたこの社員への経営者の対応に、別の社員からも疑問の声が上がっているようだ。

試用期間中は給料が予定給の70%に抑えられるため、試用期間雇用を繰り返している実態は人件費の抑制を狙っているのではないかと社内の人間は疑っているらしい。

そうでなくてもこの契約解除手順は新しい労働契約法に照らし合わせると問題が非常に大きいような気がする。当事者ではないので詳細は分からないが、聞き伝わっている状況を事実だとすると、下記の問題点があるように思われる。

①労働契約の未締結
 例え試用期間であっても雇用期間に含まれ、労働実態が発生した時点から雇用期間に含まれるので、労働を開始した時点で速やかに雇用契約を結ばなくてはならなかった。
 法律では1ヶ月間以上1年以下未締結の場合、この期間内において労働者に2倍の給料を支払わなくてはならないこととなっている。

②試用期間での解雇手順の問題
 旧労働法でも試用期間中は「雇用条件に合致していないことが証明された場合」でなければ労働契約を解除することはできないとされており、会社側は例外としてしか労働契約を解除できない期間となっている。
 従って今回のように雇用契約を締結していない状態では雇用条件が客観的に存在し且つそれを労働者が知りうべき状態となっているとは言えず、例え今回のように業績が伸びていないとの理由があったとしても、書面など雇用条件に合致していないことを客観的に証明できるものがないので、試用期間での契約解除の理由が不当とされる可能性が高い。

 

よってこの解雇された従業員が訴え出た場合、会社側が敗訴する可能性が非常に高く、そうなった場合追加で3か月分の給料が払われるほか、雇用を継続する義務も発生する。
 それでもどうしても会社がこの従業員を解雇したい場合は更に1ヶ月分の解雇手当が発生する可能性が高いと思われる。

 新労働契約法が公布された現在、従業員採用は慎重さを要求され、かつ明確な雇用条件を・解雇条件を示さなければならないので、試用期間で解雇するケースは本当にレアケースになっており、今回取り上げた経営者のようなケースは許されない状況になっている。
 中国の労働者保護の法律がどんどん世界水準に近づいている現在、雇用関係や従業員へのケアを怠るとある日突然大きなツケを払わされるかもしれない。
経営者の皆様はご用心を!

原文

F(訪問)ビザ「労働者!」はご注意を

 上海で友人が、ビザ不備で働いていたため罰金となり国外退去になった。幸い再入国の権利までは取り上げられなかったらしいが、一万元の罰金と一時国外退去命令である。
彼は以前働いていた中国の会社も、F(訪問)ビザしか申請してもらえなかったようで、それもあって彼は今の会社に転職したのだが、新しい会社では一応Z(就業)ビザの取得は約束されていたようなのだが、会社は前の勤務先でFビザで問題なかったとの認識で、有効期限がまだかなり残っていたこともあり、その会社はそのままビザの手続きをせずに彼を働かせはじめた。
 彼自身は入社後に会社に対しビザの手続きを何度も打診していたらしいのだが、結局延び延びになり、Z取得の手続きをしないまま、この夏に一時帰国し、再入国後はノービザで15日間、そしてL(観光)ビザで一ヶ月過ごし、そしてさらにまたFを申請しようとしたところで、変な申請経歴だぞということで入国管理局の目に留まり御用となったらしい。
 もともとFというのは外国人が商用などで、一時的な長期滞在をする時に申請するもので、例えば建設会社社員が中国の工事を受注した時に監督として一時滞在するような場合に与えられるもので賃金は母国の会社から支払われるのが普通である。

これに対し、通貨を問わず現地で賃金が払われる雇用形態の場合は原則としてZビザが必要になる。
 しかしながらZビザ取得には3000元程度の費用が必要で、手続きが煩わしいのと、現地採用者の定着率が必ずしも高くないので、無駄な出費を抑えたい企業は、採用際にZビザの取得を約束していても試用期間が終わってから申請するなど手続きを渋るケースが多い。
 ひどい場合は友人の以前の勤務先のように1年以上Fビザで引っ張る場合も少なくない。
1ヶ月であってもFビザでの労働は違法であることに変わりはない。3千元を渋ったために1万元の余分な支出である。1万元といえば現地採用の一か月分の賃金に相当する
 目先の支出を渋って、結局大損するのは中国人の失敗するパターンの典型である。
そのパターンで失敗する中国の日本人が最近増えつつある。
中国は経済発展にともない法律関係も世界標準に近づきつつあり、今までグレーゾーンで見逃されていた部分にも規制がどんどん強化されるケースが増えてくる。
 これまで中国だからということで、日本に比べ適当に放置してきた部分はそろそろ見直さないといずれツケがまわってくる。

日報の効能

数ヶ月前に働き始めた友人が上司から指示された日報作業の中で、日報を書くことで会社の利益や業務の効率化ができるんなら幾らでも協力するが、そうじゃないなら時間の無駄ですよ、わざわざ書いてしまったらしい。
 それが原因かどうか分からないが友人は試用期間で解雇されてしまった。
 彼の言い分だと営業の日報は直接利益に繋がるから必要性は認めるが、彼の仕事は営業ではないので必要でないと感じてたらしい。
 この日報というもの、現在自分も書いていないので偉そうな事はいえないが、営業以外でも決して無駄なものでもない。
 日報を書くということで個人の中の業務整理をさせるという効果はある。書くという作業は物事を整理して書かなければなければ文章として成立していかない。そう、日報は見てもらうというより書く事が大事な作業なのである。

実際上も、報告の意味より仕事の整理の方が意味として重要である。もちろん上司も中身を見ないわけじゃないが、本人が仕事をちゃんと把握できているか、整理できているかを見るのであって、具体的な仕事の中身についてはその後の問題である。何か問題があった時のトレサビリティツールとしての意味合いも当然ある。確かに書くという作業は面倒くさい。でもその面倒くささの分だけ重要な意味はある。
 それを伝えた友人は、その意味を納得してくれて、次の会社で書くように言われたら書くことにすると言っていた。こういう日報を書くという作業は世の中で日常化してしまっているので、ただ指示に従って受動的に書かされている場合も多いが意図を明確に知ればればもっと素直に書くのではないだろうか?これは中国人も日本人も同じことのように思える。
 職歴、経験の浅いものには特にそれを伝えてあげる必要がある。