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F(訪問)ビザ「労働者!」はご注意を

 上海で友人が、ビザ不備で働いていたため罰金となり国外退去になった。幸い再入国の権利までは取り上げられなかったらしいが、一万元の罰金と一時国外退去命令である。
彼は以前働いていた中国の会社も、F(訪問)ビザしか申請してもらえなかったようで、それもあって彼は今の会社に転職したのだが、新しい会社では一応Z(就業)ビザの取得は約束されていたようなのだが、会社は前の勤務先でFビザで問題なかったとの認識で、有効期限がまだかなり残っていたこともあり、その会社はそのままビザの手続きをせずに彼を働かせはじめた。
 彼自身は入社後に会社に対しビザの手続きを何度も打診していたらしいのだが、結局延び延びになり、Z取得の手続きをしないまま、この夏に一時帰国し、再入国後はノービザで15日間、そしてL(観光)ビザで一ヶ月過ごし、そしてさらにまたFを申請しようとしたところで、変な申請経歴だぞということで入国管理局の目に留まり御用となったらしい。
 もともとFというのは外国人が商用などで、一時的な長期滞在をする時に申請するもので、例えば建設会社社員が中国の工事を受注した時に監督として一時滞在するような場合に与えられるもので賃金は母国の会社から支払われるのが普通である。

これに対し、通貨を問わず現地で賃金が払われる雇用形態の場合は原則としてZビザが必要になる。
 しかしながらZビザ取得には3000元程度の費用が必要で、手続きが煩わしいのと、現地採用者の定着率が必ずしも高くないので、無駄な出費を抑えたい企業は、採用際にZビザの取得を約束していても試用期間が終わってから申請するなど手続きを渋るケースが多い。
 ひどい場合は友人の以前の勤務先のように1年以上Fビザで引っ張る場合も少なくない。
1ヶ月であってもFビザでの労働は違法であることに変わりはない。3千元を渋ったために1万元の余分な支出である。1万元といえば現地採用の一か月分の賃金に相当する
 目先の支出を渋って、結局大損するのは中国人の失敗するパターンの典型である。
そのパターンで失敗する中国の日本人が最近増えつつある。
中国は経済発展にともない法律関係も世界標準に近づきつつあり、今までグレーゾーンで見逃されていた部分にも規制がどんどん強化されるケースが増えてくる。
 これまで中国だからということで、日本に比べ適当に放置してきた部分はそろそろ見直さないといずれツケがまわってくる。

本当は海外保険に入れない現地採用者

中国に来る日本人の多くは、日本の海外旅行保険に加入してくるが、実はそのうち現地採用者に関しては、厳密にいうと海外保険の適用外ということになるという話をある保険会社の方から伺った。もちろん、会社が金を出す出さないという次元の話ではない。
 駐在や転勤者は日本の拠点があるという前提で「旅行」という概念が成立するのだが、「現地採用者」は日本の拠点というものが存在しないので、厳密的には「旅行」という概念には当てはまらず、「海外旅行保険」の適用条件には当てはまらないらしい。
 そうはいっても保険会社も商売になるので、そのあたりで特に厳しい審査をしていることもないのが実態だそうである。もちろん「旅行」でないのでローカル販売の傷害保険や生命保険には加入できる。つまり現地採用者というのは現地住在者であって、保険的扱い的に現地の中国人と同じ立場らしい。

地元の保険と海外保険で何が違うかというと、海外保険で得られる至れり尽くせりの言葉の不安の要らないサービスなどが基本的になく、日本で傷害保険に入った時と同じで原則として保険給付金のみの契約となる。一部では日本人向けにそれらの至れり尽くせりサービスをつけている保険もあるらしいが、掛金が旅行保険かそれ以上になってしまうらしい。現地採用の賃金でその金額の負担は大変である。
 掛金そこそこ給付金そこそこの日本人現地採用者をターゲットにした保険を作ればそれなりの需要はありそうな気がするが、今のところ見つけられず、私も旅行保険に頼っているのが現状である。