選挙結果は選挙箱の蓋を開けるまで誰も分からない

 先週日本の衆議院が解散し、日本は総選挙モードに突入している。

 今回の選挙は巷では争点が無いだの大義が無いだのいろいろ言われており、一部では現政権の延命のための解散だと言われている。

 或いは今なら現与党が負ける要素が少ないので、今のうちに解散しておく「今のうち解散」とも揶揄されているようだ。

 いずれにしても、与党側は多少議席を減らすことがあっても過半数を割り込むような大敗は有り得ないと考えており、世間の識者と言われる人たちの見方も大方同じようなものとなっている。

 しかしながら果たして、そんな予想通りの結果になるのだろうか?
 私は少々この見方に疑問を感じている。
 
  2年前の総選挙の際に、選挙結果を受けて「2012年12月17日 選挙の構図」というブログを書いたが、この時に私は当選議席数の結果程には得票数には差がないことを指摘した。

 前回の選挙では、議席数こそ自・公の現与党連合が圧勝したが、得票数の面で見れば前与党の民主党の空中分解という要素が強かったという気がするのである。

 前回のブログでも書いたが、2年前の選挙では実は各選挙区の1位当選者の得票数と2位3位の得票数を足した数を比較すると2位3位側が逆転するケースが沢山あった。
 つまり「自公対その他」という対立軸で見れば、前回の選挙は反自公側の対抗勢力が分裂してしまった影響で自公側は各選挙区でトップに立ったというだけで、得票数的にはその前の選挙よりは大して増えていないのに議席数だけ大幅に増えたという選挙結果だったのである。

 こういった状況を考えると、例えば現与党の支持数がそれほど変わっていないという前提で今回の選挙を展望した場合には、もし仮に野党側が候補者を一本化するなどして選挙協力を行なった場合には、前回の1位得票者が、前回の2位3位から絞りこまれた候補者に足を救われるということが十分有り得る状況となっている。

 また今回は比較的突然の解散だったために各候補とも選挙準備が整っておらず、どの選挙区でも前回より候補者が少ないと言われている。
 つまり意図的ではないにせよ、野党側の候補者が少ない=は分裂していないという状況になっており、偶然にも野党の候補者が絞り込まれている状況となっているのである。

 こういうことを鑑みると、今回の与党側の「まあそこそこは勝てるだろう」とか「過半数を割り込むことはないだろう」と言った読みはちょっと甘すぎるという気もするのである。

 現首相は過半数を割ったら退陣ということを口に出したようだが、これは恐らく「そんなことはありえない」という自信の裏返しの発言と言う気もするが、前回の得票数を見る限りにおいては必ずしも盤石だとは言い切れないのが「小選挙区」という選挙制度の下での総選挙区であり、実はそんな発言を迂闊にできるほど自信を持てる根拠がある状況ではないという気がする。

 今回の選挙、私自身はどこの党をどう支持するなどは何も決めていないが(選挙に行けるかどうかも分からないが)、どうもどこも伸び悩むとという気がするのである。
 つまり私の何となくの予想では与党が無傷で政権を維持できるという見方はちょっと甘すぎると思われ、ひょっとすると与党も野党も過半数に届かず、3党以上の政党による連立政権などになる可能性もあるなという気がしている。

 まあいずれにしても、今回はとても与党や野党の思惑通りになるとは思われず前回の選挙結果を前提にすれば「今回の選挙結果は選挙箱の蓋を開けるまで本当に誰にもわからない」というのが実際のところだという気がする。





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