実感のない借金

先日のニュースで、日本の国家の借入残高の総合計が9月末現在で1038兆円で、国民一人当たりで817万円だということがニュースで報道されていた。
 私も過去に何度も日本の国債については書いてきたが、相変わらずこの問題は解決の糸口が見えてこない。
◎「2010年02月12日 間もなく900兆円を突破する日本の国債残高
◎「2012年04月27日 私の借金割当て940万円」 
◎「2012年12月04日 負の配分の時代

 今回、一時的な要因で減少傾向が見られたようだが、全体として増加傾向である状況は続いており、このままどんどん膨らむのは目に見えている状況となっている。
 それ故の対策の一つとしての近年の消費税増税措置であり、来年にも税率が10%に届こうとしているのが現在の立ち位置であろう。
 
 まあ景気への影響は心配であるものの、消費税増税は国家財政を考えれば致し方ない面もあるが、それにしてもこの国の借金である「国債」というのはどんなに大きくなろうとも実感がないから困ったものである。
 少なくとも今現在の目先の生活においては国債残高100兆円だろうと1000兆円だろうと直接的には生活に全く影響を感じられないので、我々国民は借金を背負っている実感と言うものが全くない。
 これでは財政危機に理解を示せるはずもなく、増税されてもただ重税感だけが残ってしまい、国債返済や財政改善に寄与したという達成感もなく苦しみだけが残ってしまう結果となる。

 これが、もし上記の817万円の残高明細が毎月届けば少しは意識が変わるかも知れないが、とてもじゃないが知ったところで個人でなかなか返せるお金ではないし、逆に借金を背負わされたという実感をマトモに受け止めてしまったら、絶望感から自殺者が大量に発生するかも知れない。

 国の借金で国民が自殺するとなったら、それこそまさに悲劇であるが、残念ながら国の借金は本当はそれだけ大きい金額なのであるがそれを現在の生活から実感できないところにこの国家財政赤字問題の難しさがある。

 そこでこの国の事情を肌で実感しつつ、出来る範囲で国民が協力するには果たしてどんな方法があるのだろうかと、一つ思案してみた。
 例えば、現在の消費税の問題として絡めて言うならば、国の借金が100兆円増える度に消費税の税率を1%上げるというのはどうであろうかと考えてみた。
 つまり現在のように1000兆円なら10%、1200兆円になれば12%に税率が上がり、逆に800兆円まで下がれば8%に下がるといった方法である。
 かなり暴論な方法であるが、少なくとも国民の生活と税率が連動するわけだから否が応でも国家財政には注目が集まり、赤字を減らせとなるだろう。
 こうすれば国の借金を国民も担っている実感がわき、努力次第で税金が減らせることになる。

 ただここで問題なのは、負担を減らせとばかりに、弱いものいじめ的に闇雲に財政カットが始まるかもしれない怖さである。

 以前も「2012年05月09日 財政改革に対する期待の誤解」でちらっと書いたが、国家の財政支出も借金頼みの予算とはいえ、経済の一部になっている以上はいきなり削ってしまうと社会経済のお金の流れを止めてしまう事になる。

 つまり補助輪をつけて走っている自転車からいきなり補助を外してしまうと走れなくなることと同じで、いきなり財政カットを行なってしまえば、その部分の経済が回らなくなるのである。

 前回の民主党政権が不評だったのはまさにそれで、財政再建のために公共事業などの財政カットを次々に行なった結果、補助金や公共事業の下流にいる人が苦しむ結果となって国民に不満が溜まり、あっという間に政権の座から降りることになってしまったのだと私は見ている。

 つまり財政再建自体は正しい目標であるが、政府が行う支出カットは下流に大きな影響があり、いきなり大きくやってしまうと「補助金漬け経済の日本」にとっては荒療治過ぎるということになる。
 さりとて、このままでも良いわけでもなく、間もなく選挙があるかもしれないという噂も漂っているが、もう少し国民全体が借金の重みに気づきながら現実的に対応できる策を探してもらいたいものだという気がしている。



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