先日のキャッシュカード行方不明の件、結局色々都合がつかず銀行にたどり着いたのは今日になってしまった。
本来はまずカードを止めるのが常道なのだが、残高が少なかったため被害に遭ったとしても盗まれたことが実際に確認されない限り、カードを止めるのは避けたかったのである。
何故ならカードを止めると、カードの再発行が確定的になり自動的にカード番号が変更になってしまうからである。
そう、日本人の常識では考え難いことだが、中国では銀行のキャッシュカードを再発行すると銀行口座の番号も再発行となり変更されてしまうのである。
もちろん預金はそのまま移行されるが、これは盗難に限らず破損による再発行でも同様の措置が行われる。
これは知らないと大変な事態を招くことになる。
以前、カード表面のフィルムがはがれかかったので気軽に交換をしてもらったところ、番号が変更になったことが気に付かず、職場からの振り込みがエラーになり大慌てになった。
まあ、そんなこともあってカードの再発行は最終手段にしたく、被害の可能性の天井も知れていたので慌てた行動をしなかった。
思い起こせば、置き忘れた当日に正体不明の自動電話がかかってきており、その時は変な売り込みかと思ってすぐ電話を切ってしまったが、あれが自動通知システムの連絡なんじゃないかと後から気づき、故にカードは盗まれていないという確信めいた自信があったのである。
そして今日、パスポートを持ってまず口座のあるカード発行店舗に行ったところ、しばらく順番待ちで待たされたが、確かにATMで取り忘れていることが記録されていたことが確認された。
まずは一安心である。
ただ、私の直後に利用した人が私のお金を引き出した後にATMに敢えて故意に置き忘れをした可能性も捨てきれないから、金額の被害についてはこの時点で100%安心できるわけではない。
そして肝心のカードの現物だが、行員によれば私が置き忘れたATMのお店で保管しているので取りに行ってくださいと言われた。
ああ、そうなんだ。
まあ当然といえば当然だが、ちと面倒くさい。
仕方なく、すぐその支店に移動する。
そして、再び10分ほどの順番待ちを経て、少々の書類を書かされたが無事カードが手元に戻ったのである。
残高も減っておらず、どうやら被害はなかったようである。
覚悟をしていた分だけ得したようなほっとする気分になった。
ところでこの順番待ちの際に気が付いたのだが、中国の銀行も日本と同じように番号札を渡され、電光掲示板の表示に従って窓口に行くシステムになっており、この方法はかなり以前からどこでも採用されていて珍しい物ではなくなっていたのだが、最近では呼出し番号が目的別に分類され、アルファベットの頭文字が付くようになっていた。
ところが今回これ以外に驚くべきものを発見した。
実は番号札の中央部になんと「排隊検証碼」という番号が付加されていたのである。
ようするに、この番号札が本物かどうかを検証するためのランダム番号がこの番号札に印刷されていたのである。
つまりこれの意味するところは、この番号札を偽造してちゃっかり割り込みで銀行の手続きを行なおうとしたやつが過去に大勢いたことを意味し、トラブルが多発していたということになる。
つまり、その対策としてこの番号が印刷されることになったと推測できる。
まあ銀行の時間待ちは確かに非常に面倒ではあるが、それにしても番号札の偽造とは、驚きである。
偽造大国とは知っていたが、お金だけでなくこんな番号札まで偽造するとは、今更ながら中国人達の根性を思い知らされるこの番号札である。
キャッシュカードの番号変更といい、この番号札といい、中国の過去のふとどきものの歴史がここに現われている。