乗り遅れても変更可能だった鉄道切符

中国の鉄道切符は乗車券と特急券という区別がなく、全ての切符が列車と座席を指定した指定券であることは、中国で鉄道を利用したことのある人なら知っている人は多いと思うが、実は乗り遅れても切符が有効であるという事実はあまり知られていないように思う。

 私も最近はじめて知ったこの事実なのだが、日本にはないシステムなのでちょっと驚きであった。

 実は先日もある列車に乗り遅れてしまった。
 (時計が狂っていたことに気がつかず時間を間違えてしまったのである。)

 駅に着いたのが列車の発車定刻の直後だっため、もしかしたら列車の発車が遅れていたら間に合うかもしれないとの思いで、駅員に切符を見せて
「この列車は行ってしまったか?」と質問したところ、案の定「もう出ちゃったよ」との答えが返ってきた。

 ああ、やっぱり駄目か、切符代が無駄になってしまったなとがっくりしかけた。ところがその駅員が立て続けに
「あと1時間後にもう一本あるから、窓口で変更の手続きをしてきてください」と言ってきた。
「ええっ?それはどういう意味?もう列車は行ってしまったよー???」

 私は意味が把握できなかった。

 いずれにしてもチケットを買い換える必要があるので、駅員の言われるままに教えられた窓口へ行った。
するとそこには改簽(gai3qian1)手続専用窓口というものがあり、どうやら切符の変更手続き専門の窓口のようである。

 「何時の列車?」と窓口の担当者が質問してきたので、希望の列車を伝えると何やら処理し始めた。
で、どうやら処理が終了して、機械から出てきた切符を渡され、更になんと、幾らかの返金があった!

「えええ?この返金は何???」

狐につままれたような思いで、切符と現金を受け取った。

 切符を確認すると、どうやら元々の列車が快速列車であり、今回の列車が普通列車であったため設定価格が違っておりその差額の分だけ全額戻ってきたということらしい。

 さらに「ん?手数料なし?」

 手数料を取られたらその分の発票を渡されるのがこの国の常であるので、渡されなかったってことは手数料がなかったということである。

 つまり整理すると、今回私の原因で列車に乗り遅れたにもかかわらず、手数料もなしで、列車の変更手続きが出来、しかも私の場合は幸運にも返金があった。
 なんと親切なシステムなのだろう。もちろん高い席を再予約すれば差額分だけとられただろうが、それにしても元の切符が無駄にならないだけマシである。

 しかし一体どういった根拠で今回の処理が行われたのか知りたくなった。

 改めて切符を見てみた。
指定日の指定列車にのみ有効」とある。これはよく理解できる。
しかし問題は次で「2日間有効」と書いてある。
 指定列車限りと書いてあるのに2日間有効だなんて、これはどういう意味であろう?

 切符の裏を見てみることにした。

中国の鉄道切符の裏側

中国の鉄道切符の裏側

 中国の鉄道の切符の裏には乗車規則が書いてあり今まで細かく読んでみたことはなかった。
 それによると、「もし時間通りに列車に乗れない場合、発車前ならキャンセルできる。あるいは一度だけ変更手続きができる」「ケガ、病気のほかは発車後のキャンセルは認められない」とある。

 このあたりの表現がものすごく微妙で、キャンセルに関しては発車前は可能で、発車後は不可能であることははっきり分かるのだが、問題は「変更」に関してで、文章中の「発車前」の条件がどうやら「変更」の部分にはかからないようである。

 あるいは「病気、ケガ」の認定条件が非常にゆるいので、窓口の判断に委ねられており、その判断としてほぼフリーで変更できるという解釈もできる。

 いずれにしても、現状では例え列車に乗り遅れても後続の列車に空席がある限り、切符の表の有効期間内の列車であれば変更手続きが可能なようである。

 他のサイトをいろいろ調べてみると発車後2時間以内に手続きをしなければならなかったり、変更は乗車予定駅でなければならないとか細かい条件がつくようで、また駅や切符の内容や時期によっては対応してもらえないなど、必ずしも一律の条件でも無いようだが、やはり乗り損ねてもすぐに諦める必要はないということである。

 振り返ってみれば、今まで、乗り遅れたと思って手続きをせず無駄にした切符が何回かあった。

 あの時このことを知っていればとちょっと悔やむが、今後は乗り遅れてもあまり慌てることもないことを知っていい勉強になった今回の体験である。



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