中国語は「以上」と「以下」の区別が曖昧になっている

 日本語でも良く話題になり、検索すると沢山登場する「以上」「以下」「超過」「未満」の意味合いの区分だが、どうも漢字の本場中国では、同じ漢字を使っていながらこの区分が意外ときちんと区分されて使われていないような気がする。
 いや、区分はあるのかもしれないが、一般的に理解が浸透していないというかルールが統一されていないようなのである。

 日本語の基準ならば「以上」「以下」と、言葉に「以」が入る場合は、基準となる数値を含むと理解される。
 つまり「100キロ以下」なら100キロちょうども含んだそれより小さい数値という解釈で統一されている。

 逆に「未満」「超過」なら基準となる数値は含まれないので「23キロ未満」「23キロ超過」という言葉は「23キロを含まない」という解釈になる。

 それ故に「以上」に対比するのは「未満」であり、「以下」に対比するのは「超過」であって、これらの言葉を組み合わせて使えば、同じ数値が両方の区分に属するといったことはなくなり、明確に分類される。

 ところが、中国ではこの「未満」「超過」という言葉が、こういった数値の基準を表す際には余り使われない。
 「未満」も「超過」も中国語に言葉としてはあるが、どうやら微妙にニュアンスが違うのか、数字の基準としてはほとんど見かけないのである。
 その代わりどのように表記されるかと言えば、「23キロ未満」の代わりに「23キロ(不含)以下」と、「(不含)」という含まないという言葉が追記される。
 また「23キロ(含)以下」と表記されることもあり、ここに否定語がなければ日本語でいう「23キロ以下」のそのままの意味となる。

 ただ、「(含)」や「(不含)」という追記表記が無く「以上」「以下」とだけ書かれている場合でも、日本語の「以上」ではなく「超過」「未満」の意味で書かれている場合もあり注意する必要がある。

 例えばある区分が「100キロ以上」と書かれていても、並列のもう一方の区分が「100キロ(含)以下」などと書かれていれば、自ずとここで書かれる「100キロ以上」は日本語では「100キロ超過」と表現される意味になり、100キロちょうどは含まれないのである。
 つまり、中国語の「以上」と「以下」と言う言葉は基準となる数値を含むかどうかが、対比される区分表記との相関関係で決まる曖昧な表現となっており注意が必要なのである。

 このあたり、中国ではどうも日本語のように表記ルールが統一されていない様であり、中国語の表記を読み取る点では注意しなければならない点となっている。





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