上海の地下鉄駅は常に手荷物安全検査を行っている

最近、日本国内で鉄道車内の乗客を狙った無差別通り魔的事件が相次いで起きている。
 これらを受けて、巷からは鉄道利用時に荷物検査を実施した方がいいのではないかという声が上がり始めている。

 ただ、新幹線などはともかく通常の通勤路線においては、利用客数が多すぎて全員に対しての荷物検査は時間と手間がかかり過ぎるために実施は難しいと言われている。
 私もその意見には概ね同意するが、よく考えてみると上海では地下鉄全駅で荷物に対する安全検査が実施されている。

上海地下鉄駅の安全検査の様子

上海地下鉄駅の安全検査の様子

 いつから始まったかは記憶が定かではないが、恐らく上海万博の時に始まり、そのまま継続して実施されていると記憶している。
 ただし、検査開始当時は全利用者が対象だったが、やはりあまりにも時間がかかるため、朝の通勤時などは大型の荷物のみが検査対処となり、ハンドバックなどは抜き打ち程度で検査を受けずともよくなった。

 よって朝の通勤時間帯においては検査の行列も多少は発生するが、行列によって改札が混乱するほどの状況にはなってはいない。
 まあ上海の地下鉄駅は日本の駅よりは一駅あたりの乗降客数は少ないような印象であるから、単純な比較はできないが日本の各駅で荷物検査をある程度実施してもそれほど混乱は起きないような気がする。

スーツケースの安全検査

スーツケースの安全検査

 ただし、問題となるのはセキュリティ検査の人件費コストの問題である。

 上海の場合は改札口の入場前にX線検査機がおかれ、モニターをチェックする担当と、利用客に検査を促す担当の2人がいる。
 そして恐らくその交代要員と1日2交代と考えると改札一か所につき6人が必要となり、2か所の改札なら12人もの検査員が必要だと思われる。
 
 一駅当たり12人の人件費というのは、かなりの負担額であり、そもそも上海地下鉄の駅は自動改札口が導入されていて省力化が実施されているのに、新たな安全検査員の負担増は非常に大きいだろう。
 (ちなみに安全検査員の賃金は月額5千元(約8万円)程度で寮と食事が別につくようだ。)

 まあ上海地下鉄の安全検査員の人件費を鉄道事業側が負担しているかどうかは定かではなく、もしかすると上海市の負担かもしれないが、とにかくどこが負担するにせよタダでは人を揃えられるわけではないから、安全のための莫大なコストが必要になる。
 そういった意味では、日本で例えシルバー人材の活用などでコストを抑えられたところで通勤路線における安全検査体制はちょっとコスト的に現実的ではない印象である。

 例えば首都圏1都4県でJR・私鉄合わせて1700駅ほどあり、コストだけでなく要員確保だけでも大変そうな規模である。(上海は430駅ほどである)

 さらに厄介なのが、日本のJRは全国の路線が繋がっているので鉄道構内を隙間なく安全検査済みとするには全国の駅で安全検査を実施する必要がある。
 その中には無人駅も当然あり、その乗降者への安全検査をどうするかという問題もある。
 それに対して上海の地下鉄は上海市の範囲で閉じており、全国には通じず上海市内だけで収まっており、上海市内だけで安全検査を実施すれば抜け穴はないので日本の鉄道環境とは大幅に状況が違うので同じ手法は取りにくいかもしれない。

 まあ現実的な範囲での安全検査を考えるならば、全駅検査を諦めて路線ごとの乗換接続駅限定で安全検査を実施して、犯行を目論む者が移動しにくい状況を作るなどで、犯罪を起こしにくい環境を作る程度だろうか。

 このように上海の安全検査状況をそのまま日本に適用できる状況ではないのだが、各駅で安全検査をすること自体は現実に実行されている訳であり、安全確保への応用に何か参考になるのではないかと感じている。





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