人民元高が進み1RMBがもう21円を超えている成田空港のレート、1万円が474元

 先日も書いた円安ドル高に伴う円安人民元高だが、円安が止まらないので人民元高も止まらない。
 ドル円レートは1$=118円台に達した状態で、それを受けて人民元の中間レートは1RMBが19円台後半に達している。
 しかもこれは中間値であるから、レートの手数料の高い成田空港の交換レートは今日11月20日現在で、21円を超えている。

 これは1万円を替えても500元を割り込み474元にしかならないことを意味する。
 かつては1万円が800元を超えていた時代があることを考えれば、この現状は隔世の感がある。

 ここまでレートが動いてしまうと、少なくとも日本向けに生産していた商品は中国の製造コストが上がっていることもあって、かなりの部分を国内生産に切り替える企業が増えそうな状況となっている。
 実際この夏の1ドル105円台の時期にそういった動きが出ていたのであり、それから10円も円安が進んでいるのだから、恐らく流れは加速するだろう。
 残念ながら今後中国の日系工場は縮小して行く状況になってしまっている。
 
 ただ逆に考えると、中国市場を睨む業種にとっては、輸出の好機とも言えるのである。

 単なるサービス産業ではそれほど意味がないかもしれないが、日本からの輸出を伴う業種には追い風となるはずで、これまで高品質でも現地商品との価格差がネックで市場開拓に悩んでいた業種にとっては今一度検討を試みる余地はある状況なのかもしれないのである。

 もちろんまだ関税障壁はあると思うが、少なくとも品質の時点では今のところローカル製品には劣っていないのだから、品質に自信を持っている企業は輸出を検討する価値があるという気がしている。

 またそういった意味では、世界各国で繰り広げられている新幹線などの受注競争も、中国との価格差は確実に縮まっているはずで、単に安いだけではない信頼性を武器に日本の産業に風を吹き込むチャンスはあるのではないかという気がする。

 円安で物価高ばかりに目が行ってしまうが、発想の転換をしてうまくピンチをチャンスに切り替えるしかないのである。





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