QRコードによる地下鉄運賃支払いシステムは失敗?

数年前から、上海地下鉄ではQRコードを使った運賃のスマホ決裁システムを採用したことは、「上海地下鉄がスマホ支払いを始めた理由」でも書いたが、私の見立てではどうもうまくいっていない。

まあ失敗とまでは言えないかも知れないが、少なくとも大いなる改善の余地ありである。

何故なら朝のラッシュ時間帯において、このQRコードの読み取りの戸惑いにより、改札口において大きな渋滞が生じてしまっている現状がある。

上海地下鉄の出札口のラッシュ

つまり、スマホ上のシステム起動や、センサーの読み取り不良により列がスムーズに流れず、改札口において人が大行列をなしている光景があちらこちらで見られるからである。

大行列にならずとも出入札を手間取っているケースは日常茶飯事である。

やはり当初予想した通り、ICチップの内臓された上海公共交通カードの方が遥かに通過速度の面で優位性がある。

このQRコード決裁の最大の欠点は、スマートフォン端末側で通信を必要とするということ。

つまり、支払い用の電子マネーを管理しているデータセンターを公衆回線(4GやWIFIなど)を使って呼び出し、支払い用のQRコードをスマートフォン上に表示させる処理が必要になる。

QRコード対応の改札

上海地下鉄QRコード対応の改札

これが数人単位で処理しているうちは大した支障もないが、ターミナル駅などでラッシュ時間帯に大勢が一気に通信を行った場合、回線かデータセンターのトラフィックが増加してパンクしてしまう。

パンクまで行かなくても、処理が非常に遅くなるのであり、上述の反応不良を起こして出札口で大渋滞を起こしてしまう。

スマホ利用者の中には、動画を見たりオンラインゲームにいそしんでいる人もいるから回線トラフィックはかなりひっ迫しているだろうし、端末内部のパフォーマンスが阻害されている場合もあるだろうに思う。

こういったユーザ利用環境の中、地下鉄運賃の課金決済までスマホの通信に負荷をかける改札方式はなかなか厳しいものがあるのである。

今後の改善策としては駅構内の通信回線の強化などが考えられると思うが、QRコード読み取り型のシステムはやや無理があるような気がしており、別の方法を推奨していくべきではないかと思っている。

具体的には一部で既に使われている上海公共交通カードをスマホ内に内蔵するタイプのアプリの推進が良いのではないかと考えられるが、私も使ったことが無いのでもう少し研究を重ねるまでは公共交通カードをそのまま使うしかないかなと思っている。





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