プロは100点の仕事はいらない

以前結婚式の音響のバイトをしていたとき感じたことだが、プロの仕事と呼ばれるためには仕事というのは確実性が大事であり、常に80点の合格点を取る必要があり、それさえ取れていれば極端な話、100点の仕事をする必要などないということである。
私のやっていた仕事は、お客様の結婚式という一生に一度の晴れ舞台で、それに対して失敗は許されず、100%の成功が必須だったのである。
 もちろん100点を取れるに越したことはないが、100点を取るために50点や70点の落第点があったのではプロとして失格だったのである。
学校の成績であれば5つの科目のうち4科目でで100点をとれば、一つが70点であっても合計470点でとなり、全科目80点で計400点の人より優秀であるという言い方も出来るが、仕事の世界では前者は優秀なアマチュアであり、後者こそがプロといわれる。
 だから仕事の世界ではプロなのに、上手ではないとか、優秀ではないと評価される人がいるが、確かに仕事の内容に仕上がりの差があったとしても、ミスなく終わればその人はプロなのである。

また仕事を依頼する側に立てば、どんなに優秀な人がいたとしても、その人の仕事にムラがあって、失敗する可能性もあると感じれば、確実な80点の仕事をしてくれる相手に仕事を頼むのが仕事の取引というもの。少なくとも日本人同士の取引ではそういう発想で取引相手を選ぶ。
 かつて中国で家具の製作を依頼したことがあるが、サンプルとして非常に優秀なものを製作してきたので、喜んで製作を依頼したら、大量生産されて仕上がってきた中に、とても使い物にならないものがたくさん混じっていた。もちろん逆に素晴らしく出来の良いものもあったのだが、不良品を出してくる時点でこの会社は失格なのである。
 また普段自分がやっている仕事の中にも、もう少しこうすれば100点に近づきそうだなと感じる部分があっても、そこにこだわるあまり納期に遅れたりしては元も子もないので80点の仕上がりになっていれば妥協する場合が多々ある。いかに100点に近づくかではなく、いかに全部を80点の合格点に乗せ、その数を増やすかを考えるのである。
 例えばある仕事で、80点の結果が社内から上がってきた場合であと20点上積みするのに10時間を要するような場合、もしその10時間で80点の仕事がもう一つできるのならば、迷わずもう一つの80点の仕事をさせる。逆にいうと敢えて100点を求めさせない。

 もちろんお客様の合格ラインが相手によってまちまちなので、相手によっては85点が必要あるかもしれないが、いずれにしても100点は時間があるときに求めればよいのでお客さんが100点を求める以外はまずその点を狙わない。80点より上は基本的にオーバークォリティであり、採算が合わないのである。
と自分のお客様が聞いたら果たして怒るであろうか・・・??お互い様であると思うのだが。。。





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