いつでもどこでも事故が起きそうな中国

 先日の天津の爆発事故以来、中国国内で工場の爆発事故が相次いで日本で報道されており、日本ではこれらは事故ではなく政治的な意図を持った事件ではないかと疑う噂も飛び交い始めている。
 確かに、そういったような何が起きてもおかしくない政治土壌がこの国にあることは否定出来ないので、事故に見える報道の陰で裏で何が起きていても不思議ではない。

 しかし、その一方でこの中国でほぼ9年中国人たちの安全意識の低さを目の当たりにしてきた自分にとってはやはり、これらの報道が全部事故であっても不思議ではない印象なのである。
 もちろん実際の真相については私が知ってはいけない領域なのかもしれないが、とにかく中国人たちの安全意識の低い行動には驚かされるものがある。

 例えばつい先日のことであるが、プロパンガス配送中の業者のトラックを目にした時のことである。
 配送業者の人は荷台から一個のプロパンガスのタンクを取り出すと、何とガガガーッとアスファルトの路上を引きずって運んで行ったのである。
 当たり前の話であるが、アスファルトの地面の上を金属のタンクを引きずれば火花が出る可能性があり、しかもタンクの中身がガスであるから、もしガスが漏れていれば引火爆発を起こす可能性がある。
 そうでなくても、引きずって運べばタンクが破損する可能性はあり、振動でバルブが緩むことも考えられ、やはりガス漏れを引き起こしやすくなるので大変危険である。

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 日本なら原則手押し車などに乗せて、タンクを丁重に扱うのが普通であり、そえだけガスという危険物を運んでいるという認識があるのだが、上海のこの業者はその認識が全く無いようだった。
 さらにこの業者は回収してきたこのタンクをこともあろうか、荷台に放り投げ入れたのである。
 空だから投げても良いというものではない。
 やはりタンクが破損する可能性があり、大変安全意識に欠けた行為である。
 こんな人がガスを扱っているのだからいつどこで事故が起きてもおかしくなく、うかうか街の中でも油断できないのが現状である。

 また、私が住んでいる住宅地の市場でも結構恐ろしい風景を見た。
 そこには電気製品の修理店のようなお店があるだが、その店は街角のタバコ屋のごとく狭い空間であるくせに、内部にはうず高くパソコンの本体やテレビの部品が積まれており雑然としているじょうたいなのである。
 日本の秋葉原のガード下の部品ショップに行ったことがある方はあの状況を想像してもらえればよいと思うのだが、このお店はあそこまでゴチャゴチャしていないものの、非常に雑然とした狭い空間となっていた。
 で、先日ちょっとその前を通りかかったところ、このお店の店主の女性はその狭い空間で、なんとガスコンロの直火で食べ物を煮炊きしていたのである。
 それこそ引火したらどうするんだというのが日本人の感覚なのだが、どうやら彼ら彼女らにはその感覚が無いらしい。

 日本の住宅は木造家屋が主であるが、そのため古い時代から火事の被害には苦しんできており、江戸時代には「火事と喧嘩は江戸の華」と呼ばれるくらい火事が多かった。 
 そのために日本には火事を防ぐ防火の意識がしみついて、親からそういう教育を受けてきたため、私自身も火のある空間にはかなり敏感に恐怖を感じる。
 しかし中国人たちは以前「中国人は火事より泥棒が怖い?」とブログで書いたように火事より泥棒に怖さを感じているようであり、火の恐怖はそれほど感じていないようなのである。

  このように火に対して警戒心の薄い中国社会においては、火災や工場爆発というのはいつ起きてもおかしくないのが現状なのである。

 それに報道に関しても、今回は天津の大爆発があった直後なのでその後の爆発事故も注目されるようになったが、実はそれ以前から今回の浙江省で起きたような事故は国内では年中報道されている。
 それ故に私は天津の爆発の一報を聞いた際にも、「またか」とは思ったが、それほど重大な騒ぎになるとは正直思わなかったのである。
 それが、被害の規模の大きさと日本の報道が派手になるにつれ、結構大きな事故だなぁとは思ったが、この国では数人程度が亡くなる事故は毎月のように起きており、上述のような安全意識の人が大勢いる限り、いつ事故が起きてもふしぎはないのである。

 今回までの個々の爆発が事故か事件なのかは私には追及できないが、全部が事故であっても不可思議ではないのが今のこの国の現状だと思っている。





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