平昌オリンピックが終わり、日本選手団が先週帰国し、メダリストたちがマスコミにちやほやされている状況がネットを通じてこちらにも伝わっている。
特にカーリングの女子チームは「そだねー」の流行語とともに注目を浴びている印象だ。
まあ今回メダルを取ったというのもあるが、日本国民が彼女らに好感を抱く決定的な理由が他の種目に比べ存在すると分析している。
それは競技時間の長さである。
冬季オリンピックの他の競技を見ればわかると思うが、ほとんどの競技は一競技で一人の人間が映る時間はせいぜい数分であり、しかも屋外競技の場合はゴーグルと帽子でほとんど競技中は顔が映らない。
これに対して、カーリングは一つの試合の試合時間が、2~3時間と長くその間に何度も何度も素顔がアップになる。
この素顔が沢山映るという意味ではフィギュアスケート人気にも共通する面がある。
しかもチームメンバーは、原則たった4人のため、否が応でも顔や表情を覚えてしまう。
さらに、今回「もぐもぐタイム」とネーミングされた栄養補給の休憩時の素直な表情や、ピンマイクから拾われる彼女たちの音声が彼女たちの素の姿を映し出し、人柄を知ることになる。
このように人となりを知れば、自然と好感を持つ可能性が高まり人気が出るのである。
つまりこの競技時間の長さが、カーリングが他の競技と圧倒的に違って好感を持たれる理由であると思う。
但し、実は逆にこの競技時間の長さがカーリング人気を持続させられない理由でもある。
オリンピックでこそ、各テレビ局とも非常に注目が高いため一試合3時間もかかる試合を、何試合も中継してくれるが、オリンピック以外の国際大会レベルだと、さすがにあそこまでの中継体制は取れないため、映像を見ることは出来ない。
テレビ放映枠というのは無限にあるわけではないので、現在人気の高いMLBの野球でさえテレビ中継を意識して時間短縮の為に申告制敬遠などというルールが導入される時代なのである。
そのような時代に、カーリングのような動きの地味なスポーツが放送枠を確保してもらえることはありえないのである。
まあコストのかからないインターネット中継などであれば放映は実現可能かもしれないが、それとて年間を通じて何十試合も中継するのは難しいだろうに思う。
つまり結局視聴者から彼女らを見る機会を維持することは難しく、カーリング選手が視界から遠ざかれば、日常は忘れてしまう可能性が高くなるのである。
よってカーリングの試合観戦は、ほとんどの人が次にスポットの当たる次のオリンピック中継まで待たなくてはならす、故に持続的な人気の確保は難しいと思われる。
今回、彼女たちのオリンピック銅メダルという結果を受けて、盛り上がったカーリング人気を何とか持続させてやりたい気持ちはあるが、前途はなかなか厳しいという気がしている。