先日貿易関係の仕事をしている方から伺った話。
コロナの発生以降、世界中で物流運賃が高騰しているとのこと。
以前の3倍だとかなんとか。
どうして、運賃が高騰しているのか?コロナウィルスの影響で物の移動が減ったからなのかと尋ねたところ、偏っているからだとの答えが返ってきた。
「偏っている?」
具体的にどういうことなのかと、更に聞いていると物流状態が均衡ではないということらしい。
もっと具体的に言えば、中国にはコンテナの箱が足りず、欧米から返ってこないというのだ。
コロナの発生により、例えばドイツの部品工場なのではロックダウンなどにより稼働が止まり、製品を搬出できない状態になっているとのこと。
さらに港湾の人員も休業状態で人が足りないという事らしく稼働できない状態とのこと。
すると、中国からコンテナに乗せて物は輸出されるが、向こうにはコンテナに乗せる荷物がないから、戻る便が成立しにくくコンテナを中国向けに出せなくなるというのだ。
よって欧米側にばかりコンテナが溜まり、中国から輸出するためのコンテナが足りなる結果となる。
それでも運輸会社は品物を出したい中国側の顧客のために、コンテナを欧米から回収するのだが、そのための費用は中国側に持ってもらう結果になり、それにより運輸が数倍に高騰する結果となっているのだそうだ。
分かりやすく言えば、タクシーの運転士が長距離輸送を望むお客のために、戻り分の運賃も含めて請求するような状態になっているという事になる。
つまりコンテナ回収費用込みで設定されているのが、現在の国際コンテナ運賃高騰の実態となる。
まあもちろんコロナが要因であるが、復旧状況の地域格差が生んだ運賃高騰であり、中国が欧米に比べ非常に早くコロナを抑え込んで回復した結果ともいえる。
先日もインターネットの記事にも出ていたが、日本では中国におけるコロナ感染者の数を大量に隠蔽しているとの見方が根強く信じられているが、住んでいる人間から社会の実態を見る限りにおいては、武漢周辺以外ではそれほど感染にはなってないというのが素直な感想である。
もちろん中国で発表されている事を全て信じるつもりはさすがにないが、この運輸運賃の高騰という現実を見る限りにおいては、中国国内尾コロナはほぼ収束し中国国内の工業稼働は回復しているというのは紛れもない事実だという印象である。