そもそも日中で大気汚染の環境基準が5倍も違う

 最近やたらと中国で騒がれている感のある環境汚染問題だが、環境測定サイトによれば、今日あたりは空も晴れて比較的まともな状態になっていると観測データは判定している。

上海の街中

 しかしである。

以前にも書いたが、そもそも日本と中国では環境基準そのものが2倍以上、いや5倍違う。

 例えば今話題のPM2.5の環境基準値を例に取れば、東京都の年間基準値は1時間当たりの基準は平均15ng/㎥以下に定められ、高い日でも35ng/㎥以下に収まるよう決められている。

 実際の観測データでも、例えば2010年4月の東京板橋区氷川観測所のデータでは、1日の中で35ng/㎥前後まで達する時間帯はあるもの、24時間の平均データでは見事年間基準値を満たして15ng/㎥以下に収まっている。

 その範囲でさえ我々日本人は、東京は空気が悪いと感じている場合が多く、WHO(世界保健機構の求める10ng/㎥以下には届いていない。

 それに対して中国の環境基準を見てみると、現在試行中の「環境空気質量指数(AQI)技術規定(HJ633-2012)」では優良判定とされるPM2.5の上限値が35ng/㎥、良判定とされるPM2.5の上限値は75ng/㎥となっていて、実に日本の年間平均基準の5倍でも「良判定」されてしまうのが中国の大気汚染基準となっている。

 そしてこんな基準でさえ守れずに「汚染状態判定」が行われているのが中国の現状で、日本の環境基準で測ったらいかに酷い大気の状態かが分かる。

 それ故にこんな環境基準で判定される「良判定」など、とてもアテにならない状況であり、中国では「優良判定」の大気の状態であっても、先進国にとっては最低基準さえ守られていない状態である可能性があることを我々は良く知るべきだろう。

 つまり、昨日は悪くて今日は良いというのは相対的な判断でしかなく、現実として世界の環境基準から見たら、全くと言っていいほど大気の状態が良いと言える日がないのが中国の都市の大気の現実で、現状においては日々のデータで一喜一憂することにはほとんど意味がないと言える。





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