勇気を与えてくれる「運命」

 以前、テレビで音楽評論家だか誰かがベートーベンの曲は勇気を与えてくれると言っていたのを思い出した。その中でもやはり「運命」が最高だと。
 あらゆるクラシック曲の代名詞ともいえる、ベートーベンの交響曲第5番だが、あまりにも一般人も含めてポピュラーな曲となっているため、ある意味マイナーであることを誇りとしているインテリなクラシック通には少々人気がない面もある。

 まあそれはそれだけこの曲が人々の印象に残る曲であることの裏返しであり、多くの人に受け入れられる何かをもっているということであろう。

 とはいえ冒頭のジャジャジャジャーンがあまりにも有名で、それ続く疾走するような第1楽章の旋律もかなり知れわたっているはずだが、そのあとの第2楽章以降はどのくらい聞かれているのだろうか?

 「運命」は全曲を聴き通すとおよそ30分くらいかかるが、この曲の長さがクラシック音楽を多くの人々がクラッシックに馴染まなくさせている理由の一つでもある。

 つまり現代の生活の中ではそんなに長く音楽をじっくり聞く時間が取れないのである。
 故に5分程度で聴き通すことのできる第1楽章だけであれば、広く市民に浸透することが可能だったわけである。

 でもこの曲に限らないがクラシックでもポップスでも音楽はやはり最初から最後まで聴き通すことが基本で、この曲も実はじっくり通して聴くことができれば第一楽章以上にもっと格好いい面が見えてくるし一曲を聴き通すことに意味があるとわかってくる。

写真はイメージ

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 この曲は多くの評論家が評するように苦悩の暗から喜び明へ走り抜ける楽曲構成が非常に気持ちよく、未来に対して明るい希望を与えてくれるところに最大の醍醐味がある。

 つまり前へ進むこと勇気を与えてくれる曲構成になっている。

 多くのポピュラー曲がそうであるように、クラシック音楽では暗なら暗、明なら明と一つの雰囲気で曲が包まれているわけではなく、途中で次々に曲調が変化していくところに決定的な違いがあり、それをうまく導ける音楽を構成しているというところにこの作曲家の凄さがある。

 故に例えばモヤモヤした状態でこの曲を聴きはじめると、冒頭のジャジャジャジャーンという音楽動機でまず心が揺さぶられ、その後の不安定かつ圧迫されるようなメロディとリズムによって心理学的用語でいう同質効果で、実は心が安定し始める。

 そしてそのまま緩徐楽章である2楽章で心の平静を取り戻し、3楽章でそろそろと再稼働をはじめ、4楽章の歓喜の音楽の希望へとつながる。

 実はこういった雰囲気運び、心の導きのうまさがこの曲の価値を決定づけている。

 故に聴き終ったあとに気持ちがスッと晴れ元気になれ、そういった面でこの曲は人類に勇気を与える最高の名曲であると評されているのであろうと思う。

 普段の生活の中で、思い悩みイライラする心のモヤモヤから脱出したいときはぜひ恥ずかしがらずこの曲を聴くことをお勧めしたい。勇気を与えられ心の健康を取り戻すことができると思う。

ぜひ「運命」を信じてみてください。^^b





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