知り合いから伝え聞いた話によると、万博に出展するレストランは、検査の手間を省くために開幕前の食材の一括納入を求められているそうだ。全て指定の冷凍庫への保管をしなければならない。途中納入は原則として認められないとのことだ。
ご存知の通り万博の会期は5月1日に開幕し6ヶ月間の会期となっている。その期間中の食材全部と言うことは、たとえ小さな店舗であったとしてもかなり莫大な量となることであろう。
その分を一括納入とは非常に驚きである。
何故、こんなことになるのか?
まず一つ考えられるのは、売り上げ不振により途中撤退をさせないためだと考えられる。万博が始まってはみたものの、売り上げ不振で店を閉めようと考えるレストランも必ず出てくるものと考えられる。
特に上海の業者は判断が早いので、開店して一ヶ月で売り上げが悪いと判断すれば業種替えや撤退をする可能性はある。
そうはさせないように、予め食材を納入(購入)させ、先行投資として食材を担保として預かってしまい、どんな状況になろうとも入場者のためにレストランの運営を継続させるような状況を作る。
非常に強引なやり方だが、万博のように長期間のイベントを上海で継続させるには必要不可欠なやり方かもしれない。
さらに、うがった推量をすれば、冷凍倉庫の業者と事務局が結託して、高い管理料を吹っ掛けて稼ごうとしているんじゃないかとか、横流しを計画しているとか、今までの中国では有り得そうな話も想像に浮かんでくる。
いずれにしても、これらのことから言えることは、万博期間中に会場内で提供される食材は全て開幕前に納入されたものであり、冷凍技術を信じたとしても新鮮な食材は含まれないことになる。
そういったものが本当に体に良いものなのか、また美味しいものなのか非常に疑問が涌き、疑心暗鬼になってくる。特に会期末に近づくにつれ、保存状態の悪いものや賞味期限の近いもの、或いは切れたものが店で出される可能性は否定できず、会場内の食事に関してあまり信用できない状況が発生するものと考えられる。
また量の上でも、予め会期中の消費量を推測した上で納入されている分から増やせないので、想定以上に売れ行きがよければ、場合によっては会期末に食材が足りなくなって、食材不足でレストランを閉店なんてことは十分考えられる。
例え閉店までしなくても人気メニューの食材は底を尽き、あまり人気のないメニューだけしか注文できないなどということは十分ありえる。
こうやって考えていくと、開幕当初のレストランはともかく、会期末の頃のレストランは惨憺たる状況になっていることも予想でき、実際会期末まではもたないような気がする。
果たして、このあたりのハンドリングをどうするのか?事務局の腕並み拝見と言ったところである。