サッカーの日本代表の監督の後任人事が決まりそうな報道になってきた。
ハリルホジッチさんというユーゴスラビア出身の方で、前回のW杯ブラジル大会で前評判の低かったアルジェリア代表をベスト16に導き、優勝したドイツを苦しめたチームの監督だった方である。
正直言って私はそんなに詳しい経歴までは存じ上げなかったが、W杯の戦いは良い印象で、資料を見る限り次期監督としても遜色ないようである。
そして、何よりも元日本代表監督のオシム監督と同郷で深い交友がある方らしく、それ故に日本とも全く無縁というわけではなく、就任に期待が持てる感じとなっている。
そのオシムさんと言えば、私は非常に洞察が鋭く思慮深い方だという印象で、私の中では、亡くなった指揮者のチェリビダッケ氏とも共通するものを持っている存在となっている。
何が共通する方と言えば、どちらも哲学的とも言える方で、発する言葉一つ一つに含蓄があり引き込まれる印象なのである。
そしてそのチェリビダッケ氏に師事したのが現在日本のN響などで活躍する準メルクルさんという指揮者であり、私は生での演奏は数えるほどしか接した記憶が無いが、師匠のチェリビダッケ氏同様に中身の詰まった演奏ながらクレバーにクリアに音楽を聴かせてくれるので、現代の非常にお気にいりの指揮者の1人となっている。
この準メルクル氏は日本とドイツのハーフで、師匠のチェリビダッケ氏はどっぷりとした体格であるが彼はやせ形の指揮者であり、実はその対比関係が、私の中で今回のオシム氏とやせ形のハリルホジッチ氏との関係にも投影される印象となっている。
まあ正確に言えばハリルホジッチ氏はオシム氏の弟子ではないのかも知れないが、哲学的な思慮深い先輩を持った後輩世代として、準メルクル氏同様に日本に長く活躍の場が生まれることを深く期待したいという気がするのである。