中国の休日は多いのか?

 世界の休日をネットで調べていたら、中国は世界の中でも休日が多いような紹介をしているサイトがあった。
 「本当にそうなのかなぁ。」

 そのサイトによると、中国は年3回も大型連休があり、2020年は年間21日も祝日があるとある。
 確かにそこに書かれている話は事実である。

 しかしながら、実際に住んで働いている者からすると、その数え方には異議がある。
 確かに2021年には、三連休が4回、5連休が1回、7連休が2回で31日も連休が存在する、

 しかしながら、このうちほとんどには土日が絡むため、土日を除くと18日が週休二日以外の休みとなる。

 それでも多いように感じる人もいるかもしれないが、実はこれらの連休を作るために、振替出勤日となっている週末が年間7日も存在する。
 つまり土曜日や日曜日に出勤する日が年間7日も定められている。

 よって、上記の年間18日の祝日から7日を引いた11日が、中国の土日以外の休日の総数というか、土日の総数を基準としたプラスアルファの休日数となる。
 よって中国の休日は週末の土日の年間合計104日と11日で115日となる。

<参考:中国の休日2021>
元旦 1月1日~1月3日 計3日 ※調整なし
春節 2月11日~2月17日 計7日 ※2月7日(日)、2月20日(土)出勤
清明節 4月3日~4月5日 計3日 ※調整なし
労働節 5月1日~5月5日 計5日 ※4月25日(日)、5月8日(土)出勤
端午節 6月12日~6月14日 計3日 ※調整なし
中秋節 9月19日~9月21日 計3日 ※9月18日(土)出勤
国慶節 10月1日~10月7日 計7日 ※9月26日(日)、10月9日(土)出勤

これに対して例えば日本は、法定休日は16日が定められている。

 これだけだと中国より少ないのであるが、日本の場合は振替出勤日のような設定がないので、重なった分は休みを振り替える分だけ休みが増える。(但し土曜日は法定休日というわけではないので、振替対象とはならないらしい)
 よって2021年の例で言えば、土曜に重なる春分の日は振替がないが、日曜と重なる山の日は振替休日があるので、土日プラス15日が2021年の年間法定休日となる。
 従ってカレンダーに書かれている年間の土日の年間合計104日プラス15日で119日である。

 しかも日本の休日はこれだけにとどまらない。

 日本の一般企業や官公庁の場合は、上記に加えて年末年始は12/29から1/3が年末年始休暇となっているのである。
2021年の例で言えば、12/29~12/31の3日間は休業となるので122日となる。
 また一般企業の場合はお盆休みが入るのであと2日増える可能性がある。
よって日本の大手企業であれば、2021年は124日が標準的な年間休日となろうか?

 従って中国は日本に比べ、9日も休日が少ないということになり、確かに連休は多いがとても休日が多いという印象にはならないのである。
 
 ただ世界を見回してみると、中国の祝日は、決して多くは無いが、かといって取り立てて少ないわけでもない。
 イギリスは年間8日であるし、アメリカ(USA)も連邦規定の祝日は11日程度(大統領就任式典がある年は1日増える)しかない。

 アメリカの場合は州既定の祝日もあるのでこれに、各州ごとにプラスアルファがあるのだが、総じて中国の日数とあまり変わらないという事になる。
 よって中国の休日は少ないとは言えないが、決して多いとも言えないという事になる。

 ただ、これは週休2日がきちんと法制化された近年の事であり、中国では996(9時出勤9時退勤の週6日勤務)の言葉に代表されるような長時間労働を美徳とするような風潮もあり、実態はカレンダー通り休んでいないという面もあり、本質的にはそちらの方が問題なのである。

 まあそういった996状況も労働監督によって排除されつつあり、ようやく法定通りに休みが取れるようになってきたのが中国の現状であろうか?

 ただ今後について、日本のように休日がどんどん増えるようなことは考えにくいかなと思われる。

 休日を増やすという事は、企業として稼働時間を減らすことになり、工場など時間単価でコストが決まってくる面が大きい中国にとっては、休日の増加はコストへ直結してしまうので、労働者の要求だけでは決まっていくとは思えないのである。

 そんな中国の現状の中で、私は今年も5月の休日を過ごしている。

上海の空

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