中国は旧正月である春節を直前に控えて、町が静かになりつつある。
地方から出稼ぎに来ている人が帰省し、次々とこの街を去るからである。
ところが、どうも今年は何となくいつもの年とはちょっと違う雰囲気になっているような気がする。
というのは、この時期ローカルのお店が春節休みになって行くのは例年のことなのだが、どうも一時休業ではなく店を閉店して引き払っている姿を多く見かけるような気がするのである。
店の中の主だった道具が運び出されて、新たな借り手を募集する張り紙が多くみられるのである。
私が来たころからやっていたようなローカルの飲食店たちも次々に店を閉めていた。
建物自体が取り壊されるのかなと思われる場所もあるが、そうでない場所でもかなりの数が閉店している。
恐らくはン年前春節の時期に借りた店舗が更新の時期に来て、家賃の値上がりを言われたため商売の継続を諦めたようなケースが数多くあるのではないかと察する。
まあ、ここ数年の上海の不動産価格上昇はその前にも増して激しいと言われる一方で、経済そのものは伸び悩みが言われ、不動産価格と実体経済のバランスが崩れつつあると言われる。
飲食店経営者だって、売り上げが伸び続ければ家賃の値上げにも耐えうるだろうが、実体経済が追い付かない現在、家賃の値上げ程には売り上げが伸びないのだろう。
故に、古くからある店舗も出ていくことになる。
まぁ、大家とすればすぐに次の借り手が見つかれば何の問題もないのだろうが、町全体の様子をみていると、そう簡単に借り手がつくか心配になってくる。
全ては春節明けの様子を見てみなければどうなっていくかは断定できないが、このまま借り手がつかなければひょっとすると上海全体の不動産バブルが崩壊し、上海の街のあちこちにシャッター街が誕生するかもしれない。
そんな危惧を感じた上海の街の風景である。