先日、浙江省の方へバスで移動した際に、ちょっと面白い発見をした。
私は、この日ある団体の幹事的な役割りということもあって、バスのほぼ最前列に陣取り、運転手と同じ方向を向いて高速道路風景を眺めていたのだが、その時に奇妙なものを見かけたのである。
それは、道路上に書かれている行先案内の表示である。
そこで何を発見したのかというと、中国の高速道路では、路面の行先表示がなんとドライバーからの視点を考慮して、手前から奥へ読むように、つまり下から上への並びで地名が表示されているのである。
例えば「杭州」であれば「杭」が手前で「州」が奥となっている。
私はバスの最前列から眺めていて、初めは地面に知らない地名が沢山出てくるなとばかり思っていたのだが、よくよく見ると順番が逆さまだっただけで、よく知った地名が書かれていたのであった。
これは中国に来て初めて気がついた光景で、今更ながら軽いカルチャーショックを受けた。
慌てて、日本の表示をネットで画像検索して調べてみたところ、日本の場合は例え高速道路であっても、通常の日本語表記同様に上から下へとの表示になっていた。
或いは横書きで、左から右への順番で書かれており、日常の表記と同じルールで書かれていたのである。
最近ではドライバーからの視点角度に合わせて手前の文字のフォントを縦長に崩し、読みやすいように工夫したものもあるようだが、いずれにしても上から下へ読ませる原則には変わりなく、中国のように逆転表示されている例は無いようである。
まあ、私は中国で車を運転するような機会はないものの、この中国式表示にはとても慣れそうになく、ますます運転したくなくなったというのが本音である。
当地の中国の文章文化も、通常の縦書き表示はやはり上から下であり、この高速道路の下から上へ読ませる表示は中国人たちにとっても読みにくいのではないかと思うがはたしてどうなんだろうか?
今度一度訊いてみたいと思っている。