女性アイドルグループの口パクは実は必然だった?

 先日、ひょんなことで某女性アイドルグループに口パク疑惑の証拠写真があったという記事を偶然目にした。

 その記事によると、そのアイドルグループの一部にダミーマイクの使用が指示されたタブレットの内容の映像が映りこんでいたというもの。
 よって、そのグループの一部のメンバーは実際には歌っておらず口パクだったという疑惑がかけられている。

 しかしながらこの記事を目にして私は、その写真の真偽はともかく、ダミーマイクを使った口パク疑惑の指摘というのはある意味正しいのではないかと感じた。

 とはいっても、私はそういう〇〇坂などのアイドルグループたちが、例えば歌が下手なのを誤魔化すためにファンや視聴者を欺く意図でそういったダミーマイクを使っていると言いたいのではなく、状況上の仕方ない措置ではないかと考えたのである。

ワイヤレスマイク

ワイヤレスマイク

 どういうことかと言えば、彼女たちのほとんどはワイヤレスマイクを手にして歌や踊りのパフォーマンスを披露しているが、現行のワイヤレスマイクの規格から言えば、あれだけの人数分のマイクを同じ場所で使えるほどチャンネル数を用意できないからである。

 通常、舞台など同一箇所で安全に使えるワイヤレスマイクは6回線分であり、混信のリスクを覚悟しても最大30回線ほどとされている。
 毎年紅白歌合戦の、というかかつての会場のだったNHKホールではこの30回線ほどがフルに使われているようで、それ以上も有線マイクを使えば、チャンネル数は増やせる。

 しかし、かの女性アイドルグループたちのように踊りまくるスタイルのパフォーマンスにおいては当然有線マイクは使えず、ワイヤレスマイクが必須なのではあるが、上述のように全回線をフル活用にしても50人近くものメンバー全員にワイヤレスマイクを準備できるわけではないのである。

 しかも、イヤーモニターと言われる無線のモニターイヤホンの回線も上記のチャンネルを使うので、マイクに使える回線はますます少なくなる。
 その結果、50人もの出演者がステージ上に登場しても、ワイヤレスマイクを通して音声を拾えるのはその半分程度のメンバーとなり、残りは全体の音声を頭上の吊りマイクなどで拾うことはあっても、個人ごとのオンマイクでの歌は会場や放送には流せないのである。

 よって、これを口パクと言ってしまうのであれば、確かに口パク状態なのである。

 ただ、マイクで個別の声は拾われなくても、歌としては歌っている可能性はあり、口パクと言って非難してしまうのは気の毒とも言える状況なのである。

 そしてその誰のマイクが実際に音の拾われるマイクで、誰のマイクが音を拾わないダミーマイクであるかは事前に知らされているはずであり、それが冒頭の疑惑記事の写真の真相であるのではないかと推測している。

 従って、大人数のアイドルグループのパフォーマンスの音声が口パクであり実際に音が拾われていない状態であるのは、マイクの規格上から来る必然であり、仕方ない状態なのである。

 そういった意味で、過去の単体歌手たちの口パク疑惑とは意味合いが違うのであり、変な先入観を持って彼女たちを否定するのは違うと感じている。

 なお補足として昨年末に紅白歌合戦の行われた東京国際フォーラムは最大37回線ほどのワイヤレス機器が使えるようになったとの記事を見つけたが、やはりアイドルグループ全員をカバーは出来ず口パクは発生してしていたようである。





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