クラシックな香り漂う上海音楽庁(上海コンサートホール)

 

上海音楽庁の外観

数か月前になるが上海に来て10年を超えてようやく初めて上海音楽庁(上海コンサートホール)を訪れることができた。
 上海音楽庁は、上海市の中心部の人民広場の南側、延安高架路と淮海路に挟まれた緑地帯に建っている。
 外観は西洋建築を思わせる石造りで、まさに20世紀初頭の上海を思わせる上海クラシック建築の一つとなっている。

 建物全体が盛り土的にかさ上げされ、北側の急な階段を上った階段を上って中に入る構造となっている。

 入り口を入ると、ホテルを思わすような吹き抜けロビーの正面に大きな階段が設置され、二階へと続いている。

その1階ロビーの端っこでは、現在X線検査機によるセキュリティチェックが行われており、爆発物の持ち込みなどがチェックされている。
 吹き抜けの天井の装飾は、比較的シンプルな装飾ではあるが、気品があるつくりとなっていて、ここが当時の上海の上流階級たちの空間であったことを彷彿されるような雰囲気である。

上海音楽庁のロビー天井

 一階の左側は単なる通路だが、右側にはクロークを兼ねたホワイエ(待合ロビー)があり、ガラス扉で外側と仕切られているのでとても明るい。

上海音楽庁のホワイエ

 この吹き抜けの2階に上がった吹き抜け周囲にはこのホール登場する(した?)アーティストたちと思われる録音の配信音源のリスニングスペースがあった。
 今時はこのように演奏会場でもチケット販売促進のためなのか演奏家のプレゼンが行われるようだ。

上海音楽庁のリスニングブース

  そして1階にホワイエスペースがあった部分の真上の同じ位置の2階にはカフェバーを兼ねたホワイエとなっていた。
 日本のサントリーホールでは、ここでワインが飲めるのだが。この時は午前中だったため、まだ営業していなかった様である。

上海音楽庁のバーカウンター


さて、今回の席は一階席を確保してあったが、二階席からさきにちょっと覗いてみた。

上海音楽庁の2階席

 このホールは舞台がプロセニアム方式、客席は二層式の、平面図的には楕円形に近い形をした大学の講堂のような形式のホール。
 二階席の傾斜はやや急な印象を受けたが、その割には必ずしもステージ上をに完全に見切れるほどうまく在籍が配置されているわけではないようである。

 今回のコンサートはラジオ放送用の演奏となるため、収録のために録音エンジニアのブースが設置され、調整が行われていたようである。

 で、今度は1階席に下りてみると、後部の方の座席は2階席の被りが深く、天井が低く、音響的な影響を完全に無視したというか、配慮されていない印象である。

上海音楽庁の一階席

空間全体としてもかなりデッドな印象で、残響がきれいに響く空間にはなっておらず、日本にかつて乱立した〇〇市民会館のレベルの音響空間である。

ただこのように音響的には不満は残るものの、客席の椅子は気品がある装飾でさらにこの会場を訪れる聴衆も気品のあるお年を召した方が多く、この空間が古くからの音楽ファンに支えられてれてきたことろうことを感じるものとなっている。

上海音楽庁の客席椅子

ところで、1階席の最後部の壁には、立ち席でも音楽が聴けるように簡易の腰掛的なベンチが設置してあった。

上海音楽庁の簡易ベンチ

恐らく本来は遅れて入場してきた聴衆が、演奏中に席へ移動するとほかの聴衆に迷惑になるため、楽章間になるまで一時待機する場所として設置されたものだと思うが、このホールではこのスペースまでお金をとって販売していた。

演劇でならばこの処置もわからないではないが、静寂を優先するクラッシックなどではこのスペースは販売するべきじゃないだろうと思うのだが、このスペースまで売り出すのは商魂たくましい中国的やり方ということになるだろうか?
このような、一見西洋的でありながら中国的な面も時々垣間見える上海音楽庁である。

 まぁ個人的には音の響きが好みではないので、優先的に訪れたい空間ではないという感想だが、音楽好きの一つの拠点として、今後も長く愛されることを祈っている。

上海音楽庁のステージ



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