鹿児島県の上海研修計画は本当に無駄か?

 鹿児島県で知事が上海―鹿児島線の航空路線維持のために、県職員を1000人研修旅行の名目で上海へ派遣する計画を立てて大きな波紋を呼んでいる。

当然そこに税金が投入されるから県民も黙ってはおらず、反対の声が相次いでおり、方々から非難の声が上がっている。

 この非難の声を受けて、知事側では1000人の計画を300人に縮小したようだが、それでも反対の声は収まらない。

 まあ私は鹿児島県に大した縁もゆかりもない人間だから、この問題の当事者として首を突っ込む資格はないのだが、個人的にはこの知事の判断は凄い英断という気がしている。

 確かに1億1800万円の出費は小さくないが、これは自治体としての生き残りをかけた一つの投資の意味があると思っている。

 つまり業績が苦しい会社が、社員の給与を昇給せずに持っている予算で新たな投資をしようとしていることと同じように映るのである。

 もちろん、税金が絡むだけに各方面から非難が出ているが一般の会社であれば新規投資せず社員の給料に回せと言うことにはならないような内容である。 

 私はこの上海研修という投資による航空路線の維持には2つの意味があると思っている。

 一つは、航空路線の維持による経済関係の固定化による経済インフラの維持と、県が取り組んでいる医療事業の損失防ぎのための維持コストという意味。

 たかが週数便の航空路線とはいえ、定期便が続くか途切れるとでは経済的結びつきの影響は大きく違う。

 さらに、県が取り組んでいる中国富裕層をアテにした医療事業も70億のお金が投資されていると聞き、この路線がその生命線だということであれば、1億円程度の追加費用は経営判断としては止むを得ない気がする。

 そしてもう一つが県職員の意識改革という意味。

 実は、本当の意味で言えば路線維持よりこちらの方の意味が重要だという気がしている。

 私は鹿児島県の職員の方達とは直接話したことはないが、他の自治体の方々が上海を訪れてきたときに何度か話をさせていただいていて、そういった人達と話をしていつも思うのは、日本の事なかれ主義がしみついているというか、危機意識に乏しい意識であり、国際感覚の欠如というきがするのである。

 つまり世界に視野が広がっておらず、日本のモノサシだけ話をしている人が多いのである。

 鹿児島県庁の人がどういう意識を持って働いているかは知る由もないが、どの自治体も同じ地方公務員気質があるとすれば、鹿児島県にも同様の風潮があったとしても不思議ではない。

 故に鹿児島県の知事はこういった航空路線維持の名目を借りて、実は県職員の意識改革のために上海への団体研修旅行の計画をしたのだと思われる。

 まあ上海にこだわるのが良いかどうかという問題は多少残るが、そういった地方公務員たちに意識改革をさせるには今回の路線維持目的の派遣はいいきっかけだという気がしている。

 もちろん、そういった意識改革を起させるにはのんべんだらりとした観光旅行で終わらせては効果も何もないわけで、現地で働いている日本人との交流を持つなどして、国外からの日本を見る視点を知る研修でなければならず、参加者に目的意識を持ってもらう研修でなければならないという気がする。

 そういった意味ではいま伝わっている研修計画は、いかにも公務員的な保守的な研修計画でありやや物足りない印象はあるが、それでも行く意義はあるという気がする。

 まあ個人的には1000人が300人とかなり縮小したことが非常に残念だが、これほどの規模で一遍に職員が海外体験をすれば、計画が一通り終わった後の鹿児島県の県政が、他の自治体より一味違ったものになるような気がするし、そうなることが期待できるこの研修旅行計画だという気がしている。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA




Booking.com