中国の住宅で頭を悩ますのがひっきりなしの内装工事である。
先日から私の部屋の斜め上の方の階で内装工事が始まっており、ドリル音と木槌で壁を壊す音が伝わってくる。
朝はわりとのんびり目の生活を送っている私は大体この音で目を覚まされる。
建物一棟の中に40戸くらいの部屋があると思うが、シーズンに1回くらいどこかで改造工事をやっており、ドリル音や木槌の音が響いている。
そして建物の前にはズタ袋にいれたガレキが山積みにされ、建物から外されたドアや便器などが並べられる。
まあ非常に迷惑なのだが、既に6年もいるとそんな光景にも慣れっこになってしまった。
それにしても中国は内装工事の数が多すぎる。
40戸で年4カ所ずつとすると、1回の内装は10年程度しかもたないということになろうか?
日本に比べると随分短いサイクルである。
所有者が気まぐれなのか、所有者そのものが変わっているのか良くわからないがとにかく中国の住宅では年がら年中どこかで内装工事が行われ、ドリル音が響いているのである。
ただ10年というのは短いようでも、人の人生のステージを考えれば子供がいなかった夫婦に10年後には小学生になっているかも知れず、そのまた10年後には独立していなくなっている可能性があるのが人の人生のサイクルである。
このように家族という構成一つ考えてもそのサイクルは意外と短く慌ただしく、そのサイクルを如実に表現しているのがこの内装工事音だと思うと、そこにそれぞれの人生のシーンがあるのかなぁと勝手な想像力が働いてしまうから不思議だ。