環境汚染への先入観

 3年以上も上海で暮らしていて書くのもどうかと思うが、まだまだ中国の環境状況に関することは全てが疑心暗鬼で暮らしている。

 ニュースに現れる言葉の先入観にとらわれ過ぎているのかもしれないが、まだ環境の安全に関してはまだまだ信用しきっていないというのが本音のところで、万が一汚染されたものを食べて病気になったら諦めるしかないという開き直りの元、日々生活しているのが実情である。

 例えば、先日崇明島への橋が開通したというニュースが流れたが、島に住む人には悪いが長江の真ん中にあるというだけで、あの島は環境に関しては汚染されているのではないかという疑心暗鬼に駆られてしまう。

 何故なら長江そのものが汚染されているというイメージが非常に強いからである。現に日本の海岸では長江から流れ出たゴミが大量に流れついている現実があり、長江ではないが黄河では開発により水の富養化してエチゼンクラゲの大発生が起こり、日本の漁業関係者に甚大被害が出たというニュースもあった。

 とにかく最近の中国の川は汚れているというマイナスのイメージが日本人の間で強くなっている。

 加えて中国全体が毒餃子事件や諸所のニュース報道の影響で農業での農薬が大量使用されているというイメージが強すぎて、中国での食品に関しては本当に安全かどうか信じきれない状態である。

 上海でこそ、そこそこ安全なものが確保できているかもしれないが、一歩上海市内を離れれば自然環境といえども農薬汚染が広がっているのではないかというイメージを持っているのが現状のところのような気がする。
 

そんな状況のところに、崇明島は自然豊かなところですよと言われても、長江の水が汚染されているのではないかとか、島も野放図に管理され農薬が使い放題で汚染されてしまっているのではないかという先入観が拭いきれないものである。

 これらの先入観が単なる気鬱だとしても日本人の一般的な行動パターンとしては豊かな自然だけならば、日本に帰ったあと幾らでも安全な自然が待っており、安全かどうかも分からないところに慌てて行く事もあるまいと考えるのが普通である。

 まあある程度期間を置いた後、島が観光地として整備されかつほぼ安全性が確認されたなところで、やおら出かけ始めるというのが日本人という気がする。

 今のところは新しいもの好きの中国人が大勢訪れているようだが、大勢と言ってもたかが知れているレベルであり、今のところは上海版新天地ドリームを目論む金の亡者達がゴールドラッシュ的に訪れているだけでありような気がする、少なくとものそんなニュースに流されるほど日本人の中国の環境に対する先入観はまだまだ小さくない。





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