中国ではヒツジ(羊)とヤギ(山羊)が同類扱い

 2015年の干支は未ということで、日本国内のサイトなどではヒツジの絵が多く見かけられるようになったが、中国でも干支に関しては日本とほぼ同じなので、中国でも来年の干支は未である。
 但し、中国では春節を迎えて初めて新年となるので、来年のケースで言えば2月19日が旧暦の元旦となり、その前日の2月18日までは旧年なので午年扱いとなる。
 そのため、中国では12月になっても新年を迎える雰囲気というのは余り盛り上がらないないのだが、それでも一部広告にはそろそろヒツジの絵が登場し始めている。

 ところがである。

 先日あるエレベーター内の液晶メディアに表示されていた広告を見ていたところ、なんとヤギが来年の縁起動物として描かれていたのである。

 何故ヤギなのかははっきりしないが、どうやら中国ではヤギとヒツジを同類と見なして干支のキャラクター利用しているようなのである。

 しかしながらヤギとヒツジは全く別の動物である。

 学術上ではどちらもヤギ目となっていて系統的に近い動物であることには違いないが、人とチンパンジーくらい距離のある別の存在である。

 しかし、中国ではヒツジとヤギをもっと近い種類の感覚で捉えているようであり、漢字表記上でもヒツジは「羊」で、ヤギは「山羊」と「山の羊」扱いであって、羊の一種として捉えられているようなのである。
 日本の漢字表記も中国から輸入されているため、日本人からも漢字表記の影響で近い種類の感覚で見られる面はあるが、ヤギ自体の流通が少ないためにヤギとヒツジを混同することはあまりなく、別の物として認識されているのが普通だと思う。

 しかしながら中国、特に内陸部の放牧民族の中では食用肉としての扱いではヤギ肉とヒツジ肉には差が無いようで、一部でヤギ独特の調理法なども存在するが両方の肉は基本的には同じような種類の扱いとなっている。

 中国の大手検索エンジンの百度百科の説明(ウィキペディアのようなもの)で調べてみてもやはりほぼ同類として扱われており、中国医学でもやはり共通の項目上で説明されているようで、若干の違いが補足されている程度に過ぎない扱いである。

 このように中国ではヤギとヒツジはほぼ同様のものと扱われているのが実態で、それ故に干支の扱いでもヒツジの一種としてヤギが登場してしまったようである

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 ちなみに星占いに使われる12星座上では、日本の表記だとおひつじ座とやぎ座の両方が登場してしまうが、中国での12星座ではおひつじ座は「白羊座」だが、やぎ座は「摩羯座」と表記され、意味としては「寒さを取り去る星座」であり、直接的にはヤギを示している言葉ではないようである。

 何故中国の星座ではやぎ座を山羊座と表記しないのか分からないが、ひょっとすると中国文化としてヤギをヒツジと混同しているところから、敢えて混乱を避けるために山羊座と表記しなかったのかもしれない。

 中国でもやがて学術的理解が進むにつれヤギとヒツジは別の物としていずれ認識されるという気がするが、長い歴史の中で深く根付いた文化認識はそう簡単には変えられないという気もする。



3 thoughts on “中国ではヒツジ(羊)とヤギ(山羊)が同類扱い

  1. Year of the goat

    羊と言っても、みかけが山羊のように見えるのも羊なのは、Wikipedia などでお調べになったのですからおわかりなのでは?

    原種
    アルガリ
    野生のヒツジ

    あまり区別しないのと、「混同」は違いますよね。

    Reply
  2. 上海ワルツ Post author

    コメント有難うございます。
    見かけが山羊に似ている羊がいるのは存じてますが、
    幾つかの資料を確認した範囲では、結局あまり区別されず見る側や肉牛として
    利用される際には混同されているケースがあるのは本文で書いた通りです。

    Reply
  3. CC

    こんにちは。
    「摩羯座」の「摩羯」は「寒さ~」なんとかの意味ではありません。「摩羯」の 語源はインド神話の怪魚「マカラ」(A.K.A.摩迦羅)、両方とも魚のしっぽがあるため、Capricornusの訳語とあたります。

    Reply

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