現在世界中で美術品の価格が上昇傾向にあるらしい。その理由というのが中国人の金持ちが世界の美術品を買い漁っているのが理由とのことだ。
今の中国経済の勢いにはあきれるばかりだが、彼らは古典的な作品よりもモダンアートの作品を好んで買うらしいと評論家の山田五郎さんがラジオで言っていた。
4千年もの歴史を持つ中国人は古いものにそれほど価値を感じないのかと思ったら実はそうではないらしい。
モダンアート、つまり現在生きている人の作品ならば偽者を掴まされる可能性が低いというのがその理由らしい。古い作品は贋作が多く騙されやすいので買いたくないとのことだ。いかにも偽物天国の中国人らしい発想である。
まあ偽物が嫌だという発想は、評価額的な金額的な価値や本物を持っているというステータスで満足させられているのであって、つまり絵をそれ自体の美術性で評価しているではないことになる。
モダンかクラシックかという選択は、本来個人的な趣向による選択であるはずなのに、そこに金銭的安全性の理由が介在してしまうところが、いかにも今の中国の成金的コレクターの性質というような気がする。
私なんか絵なんぞ買うような身分ではないが、もし買うとしても気に入ったものを納得する金額で買えれば本物だろうが偽物だろうが、あまり関係ないと思っている。
相田みつをじゃないが「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」のであって他人の評価で物の価値を決めたくないなぁといつも思っている。