Tag Archives: コレクター

物を自慢する貧しさ

30年前くらいの日本人は、貧しさから這い上がったばかりなので、あれを買ったこれを買ったなど、物を自慢するような風潮がまだ残っていた気がするが、現在においてはコレクターのレアアイテムならともかく、日常に普通にお金で買えるようなのをいちいちブログに報告するような心の貧しい人はほぼいなくなったように思う。

 まあ高級バックのようにわざと見せびらかすように持つ人もいないとは言えないが少なくと積極的に言葉で自慢するような人は非常に少ないのが日本人の社会文化である。

 ところが中国ではまだお金で買えるものをいちいち自慢するような社会状況が残っている。

 まだ物質の面で豊かになってなかった人が経済成長したおかげでお金を手にした途端にうれしくなって舞い上がっている成金的状況である。

写真はイメージ

写真はイメージ

 これは経済社会の進化過程において経る一段階なのかもしれないが、物を自慢する行為というのは社会的評価を物をモノサシとして得ようとする行為であり、実はそこには経済的尺度はあれど、人間そのものを図るような尺度は存在しない。

 本人が努力して得た結果自体を自慢するならその人を讃えることはできても、単に普通に購入できるものを自慢されても、それを作ったのはメーカーであり、何も努力をせずただ買って身に着けただけの人は、経済的豊かさはPRできてもそれ以外の賞賛をされるわけではない。

 にも拘わらず買ったもの自慢をする人は少なくない。

 物が沢山あることが豊かであるように見えるというのは実はまだ心が貧しい状態の裏返しであり、本当は物質的に豊かではなくても豊かさや幸せが存在するはずなのに、物を尺度とした幸せを得ようとする広告に流された行為によって、本来は物を尺度としない人まで巻き込まれているのが現在の中国の状況のような気がする。

中国人はモダンアート好き?

 現在世界中で美術品の価格が上昇傾向にあるらしい。その理由というのが中国人の金持ちが世界の美術品を買い漁っているのが理由とのことだ。
 今の中国経済の勢いにはあきれるばかりだが、彼らは古典的な作品よりもモダンアートの作品を好んで買うらしいと評論家の山田五郎さんがラジオで言っていた。

 4千年もの歴史を持つ中国人は古いものにそれほど価値を感じないのかと思ったら実はそうではないらしい。
 モダンアート、つまり現在生きている人の作品ならば偽者を掴まされる可能性が低いというのがその理由らしい。古い作品は贋作が多く騙されやすいので買いたくないとのことだ。いかにも偽物天国の中国人らしい発想である。

 まあ偽物が嫌だという発想は、評価額的な金額的な価値や本物を持っているというステータスで満足させられているのであって、つまり絵をそれ自体の美術性で評価しているではないことになる。
 モダンかクラシックかという選択は、本来個人的な趣向による選択であるはずなのに、そこに金銭的安全性の理由が介在してしまうところが、いかにも今の中国の成金的コレクターの性質というような気がする。

 私なんか絵なんぞ買うような身分ではないが、もし買うとしても気に入ったものを納得する金額で買えれば本物だろうが偽物だろうが、あまり関係ないと思っている。
 相田みつをじゃないが「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」のであって他人の評価で物の価値を決めたくないなぁといつも思っている。